春はふきのとうやこごみ、タラの芽など山菜のおいしい季節ですね。鼻に抜ける爽やかな香りや噛み締めたときのほろ苦い感じが美味しく春を実感できますよね。
ところで、山菜ってどんなお料理で食べますか?定番は天ぷらとか山菜の炊き込みご飯などでしょうか。どうしてもクセがある山菜は調理法が限られていたりするんですが、今回ご紹介する「うるい」はクセがなく様々なお料理に使うことができる万能な山菜なんです。
ということで、今回はうるいのおすすめの食べ方や保存方法、生で食べられる?有毒って本当?といった疑問をご紹介します。
うるいとは?
うるいは正式には「オオバギボウシ」という名称がつけられており東北地方を中心に栽培されています。
軸が白くてひょろりと長く、先には鮮やかな緑色の葉が付いていて、少しねぎにも似たような見た目をしていますがユリ科の植物です。
味わいや香りにはクセがなく様々なお料理に使うことができます。シャキシャキとした食感や独特のぬめりが美味しく、古くから食べられている山菜のひとつです。お花も美しいので観賞用にすることもあります。
旬は促成栽培のもので2月~4月頃、自生のものは4月頃見かけられます。
うるいは有毒って本当?
うるいには毒はないとされているのですが、うるいを採取し食べた方が食中毒を起こしてしまったという事件が度々聞かれます。どうしてなのでしょうか?
実はうるいには自生している姿がよく似た「コバイケイソウ」という植物があるのですが、これにはベラトルムアルカロイドという毒成分が含まれています。
食中毒を起こしてしまった方は、うるいではなく誤ってコバイケイソウを採取し食べてしまったのです。
この2つはとても良く似ているのですが、見分け方もあり、きちんとした知識を持っていれば間違えることはありません。
✔ コバイケイソウは葉脈が平行、うるいは主脈から側脈が出ている
✔ うるいは葉の裏が滑らか、コバイケイソウは細かい毛が生えており触るとザラザラとしている
こういったポイントを踏まえ見極めて、採取する必要があります。山菜採りは素人目では誤ってしまうこともありますので自信のない場合には、素人だけの採取はせず、専門家に同行してもらうなどしましょう。
うるいの食べ方は生?ゆでる?
味にクセがなく食べやすいうるいは様々な食べ方をすることができます。
山菜料理の定番である天ぷら、同じく春が旬のホタルイカと一緒に酢味噌和えにしたり、汁物にしたり、生でサラダにしても食べられます。ここではうるいの茹で方を見てみましょう。
うるいのゆで方、ゆで時間は?
うるいはアクが無いので生でも食べられるほど食べやすい山菜です。ですので茹でる前の下処理はとくに必要ありません。茹で時間もごく短時間ですのでスピード勝負になります。
茹で方は、うるいはよく洗い、葉と茎で切り分けておきます。沸騰したお湯に塩少々を加え、茎の部分から先に茹でます。茎を入れて10秒ほど経ったら葉を入れもう5秒ほど茹で、ザルに取ります。平らなザルに広げ、うちわなどであおいで熱を取ったら出来上がりです。
水にさらすと水っぽくなってしまうのでおすすめできません。冷めたら食べやすい大きさに切り分けてお浸しや和え物などにして食べます。
うるいのおすすめの食べ方は?
うるいは、使えない調理法はないんじゃないかと思うくらい万能な山菜なんです。炒めるだけにしてもごま油ともバターとも相性がよく和食だけでなく、洋食でも主役になれるのですから飽きること無く楽しめますよ。
うるいの天ぷら
うるいは火が通りやすいので、サッと揚げるだけでOKです。揚げたてを塩で食べるのがおすすめです。サックリとした衣にうるいのほろ苦さがとっても美味しいんです。
うるいのお浸し
サッと茹でたうるいはかつお節やお醤油だけも美味しいですが、他にも様々な調味料で味わうことができます。酢味噌や梅だれ、ゴマダレ、マヨネーズ、柚子胡椒などなど。中でも酢味噌和えはうるいの定番料理です。
うるいを生で
生のうるいはサラダに加えてもシャキシャキとした歯ざわりが美味しいですし、カルパッチョに加えても刺身やドレッシングとよく合います。
また、ゆかりで和えたりスティックにして味噌マヨネーズにディップしたりと和風でも洋風でも合うのがうるいのすごいところです。
汁物
うるいはお味噌汁に入れても食感が楽しくておすすめです。油揚げや豆腐と合わせても相性ばっちりですよ。いつものお味噌汁がちょっと春の香りになりますよ。
うるいの保存方法、保存期間は?
うるいは非常に傷みやすい山菜です。なるべく早く食べるのが無難ですが、たくさんあるとその日には食べきれないということもありますよね。
うるいを冷蔵庫で保存をする場合には、新聞紙に包み、立てて野菜室に入れて保存をします。大体2~3日くらいで食べ切るようにしましょう。
さらに長期の保存がしたい場合には冷凍保存が可能です。冷凍方法は茹でてから保存がおすすめです。葉の部分は3~5秒、茎の部分は10~15秒ほど茹でて、ザルにあげ粗熱を取り、食べやすい大きさに切り分けてフリーザーバッグに入れて冷凍をします。
食べる際には冷蔵庫で自然解凍をして、お味噌汁や炒め物などにしていただきます。
まとめ
様々な料理と相性がバツグンなうるい、早速酢味噌和えにして食べようと思いった方も多いのではないでしょうか?
シャキシャキの食感がとくに美味しいので、茹でる際には食感を残すべく、サッと茹でることが大切です。ご紹介した食べ方以外にも浅漬けや炒め物、煮物と何でも使えるので色々調理してみてうるいのお気に入りの食べ方を見つけて下さいね。