「ステーキのお肉をコーラに漬ける」と初めて聞いた時は?となりましたが、あなたも一度は聞いたことありませんか?
実はこれ、安くて硬いお肉を柔らかく美味しいものにするための方法で料理にコーラはちょっと違和感がありますが、これにはちゃんとした根拠があったのです。
他にも、ビーフカレーやビーフシチューなどに入れるお肉を柔らかくするために重曹や牛乳、はちみつや玉ねぎなどを使ってトロトロにしたり、安い肉を柔らかくジューシーに焼くことが出来るんです。
今回は、硬いお肉を柔らかくする方法をまとめてみました。
お肉を柔らかくする3つのポイント
お肉を買おうと思っても霜降りは油が多くてしかも高いし、でも安いお肉を選ぶと固そうで、おいしくなかったらどうしようと、買うのにためらったり、悩むことがありますよね。
そんな時、固いお肉でも柔らかくおいしくなる方法があれば、うれしいですよね。お肉を柔らかくするには、主に3つのポイントがあります。
1.道具を使って柔らかくする方法
肉料理のレシピで良く見かける「肉をたたいて」と「筋を切る」という工程。筋を切ったお肉をさらにたたくことで、肉の繊維がほぐれて柔らかくなります。
硬いお肉というのは、筋繊維がしっかりしすぎているものが多いので、この筋繊維を断裂させていくために行うのが道具を使う方法です。
こうする事で、下味がなじみやすくなり、焼いても縮まなくなります。専用の道具も売られていますが、包丁や、家にある瓶の底の部分などを使っても出来ます。
この方法、どこかで聞いたことがあるな、と思ったら、生タコの下処理でも同じようなことをします。タコをできるだけ柔らかくするために、塩をたっぷりつけて30分ほど手で揉むのですが、考え方は同じですね。
参考までに、こちらもぜひご覧ください。
⇒ タコの茹で方、ゆで時間やさばき方、冷凍保存は?柔らかくするには塩!お茶や酢も使う?
2.酵素を使って柔らかくする方法
肉はタンパク質の塊です。タンパク質は、酵素によって分解され柔らかくなり、うまみ成分も出てきます。この性質を利用して、酵素を含む食品に肉をつけておくことで、中から浸透して肉を柔らかくします。
野菜や果物に多く含まれている酵素ですが、はちみつやオリーブオイルまたは、ヨーグルトや塩麹、味噌などの発酵食品にも含まれています。酵素がたくさん含まれているほど、つけ置き時間が短くすむのが特徴です。忙しい時や時間のない時に便利ですね。
3.PHを使って柔らかくする方法
PH(ペーハー)とは、酸性値のことで、1~14までの値がありますが、肉が一番硬いのは「PH5」の時で、PH5からPH値を小さくしてあげると肉は柔らかくなります。
そこで使うのが、酸性の性質を持つ炭酸飲料。肉を炭酸飲料につけて置くことで、PH値を5より低くして、肉を柔らかくする事ができるのですね。これで冒頭のコーラがお肉を柔らかくするのに役立つということが理解できましたね。
お肉を柔らかくする方法は?
大きく3つに分類されたお肉を柔らかくする方法でしたが、それぞれの手順をご紹介していきます。
今回は2㎝ほどの厚さの牛肉を対象に漬ける時間などを表示していますが、お肉の厚さや大きさによって、浸漬する時間が変わってきますので、ご了承ください。また、お肉を漬ける際は、密閉袋や密閉容器などに入れてお肉の全体がしっかりつかるようにしましょう。
お肉をたたいて柔らかくする方法
まな板の上にお肉をのせ、その上にラップをかぶせます。あればミートハンマー、なければ重さと厚みのある瓶や包丁の裏側などを使い、肉の繊維を潰すように、軽くトントンと全体をまんべんなく叩いていきます。
叩きながら筋のある場所を確認しておき、少し切り込みを入れる程度に包丁を入れ、筋を切ります。切り込みすぎると肉汁と旨みが出てしまうので注意しましょう。叩くことでお肉が柔らかくなるだけでなく、味がしみこみやすくなります。
玉ねぎでお肉を柔らかくする方法
すりおろした玉ねぎにお肉をつけておきます。お肉の厚さにもよりますが、厚いお肉は半日ほどつけた方が柔らかくなります。
焼くときは玉ねぎをキッチンペーパーなどできれいに拭き取ってから焼きます。下味もつくので、玉ねぎを落とさずそのまま炒め物にも使えますよ。
また使い終わった玉ねぎはソースを作る際に一緒に炒めると無駄にもならないのでおすすめです。
ヨーグルトで柔らかくする方法
お肉にヨーグルトを両面に塗って、半日ほどつけます。焼く前に表面のヨーグルトをキッチンペーパーなどで拭き取るか、または洗い流します。濃い味付けの料理に使うとヨーグルトの香りも気になりません。
牛乳で柔らかくする方法
全てのお肉と相性が良いとされていて、柔らかくなるだけでなく、お肉のアクや臭みも取り除いてくれます。つけ時間は30分以上です。1日置くとさらに効果があります。
赤身の柔らかいランプステーキなどに使う場合は、仕込みをしたら、焼く前にキッチンペーパーなどで牛乳をしっかりふき取りましょう。
塩こうじで柔らかくする方法
お肉に塩こうじを全体に塗って、ジップロックなどに入れ1時間~半日ほど冷蔵庫で寝かせておきます。下味もつきますが、焦げやすいので焼く前には塩こうじをキッチンペーパーなどで軽くふき取ります。
塩こうじを使う方法が一番お肉を柔らかくすると言われています。
はちみつで柔らかくする方法
お肉の表面にうっすらはちみつを塗り、30分程おきます。肉の臭みを取り除く効果もありますが、たくさん塗りすぎると甘くなってしまうので、表面に薄く塗るようにしましょう。
ビールで柔らかくする方法
ビールにお肉を漬け込みます。ビールは飲みかけや余ったものでももちろんOKです。焼いている最中に振りかける程度でも大丈夫ですし、飲み残したビールでお肉を煮るという方法もあります。ただ、ビールは開栓して時間のたっていないものに限ります。
最近では、ビールに肉を漬け込むと発がん物質のレベルが下がることも明らかになっているようです。
コーラで柔らかくする方法
コーラにお肉を30分程浸けておくことで、お肉が柔らかくなります。調理する際には、コーラをきれいに洗い流すか、キッチンペーパーでふき取ります。
コーラの味やにおいが気になる場合は、無味の炭酸水でも同様の効果があるのでそちらをお勧めします。煮込み料理などに適しています。
赤ワインで柔らかくする方法
お酒が続きますが、肉の臭み取りにも効果的なワイン。浸け時間は1時間以上です。ワインを単体で使うより、ヨーグルトや玉ねぎと組み合わせるとさらに柔らかくなります。
お酢で柔らかくする方法
ジップロックなどの密閉袋にお肉を入れて、お酢に1時間以上浸けておくことで、お肉が柔らかくなります。焼く方法の他、お酢と他の調味料を加えて煮込むという調理方法もおすすめです。
砂糖でお肉を柔らかくする方法
下ごしらえで、砂糖を少量、お肉の表面にもみ込むことで、お砂糖の保湿効果で加熱した時に肉が硬くなるのを防いでくれます。
関西ではすき焼きをするときにお肉に砂糖をまぶして煮込むのですが、これもお肉を柔らかくするのに一役買っていると言われています。
果物で柔らかくする方法
使う果物はキウイの他、パイナップルや梨、リンゴでもOKです。すりおろした果物にお肉を浸けて、2~3時間でもいいですが、半日以上漬けこむとより柔らかくなります。
薄い肉を浸け過ぎるとお肉がボロボロになるので注意が必要です。果物はできるだけフレッシュなものを使いましょう。
重曹で柔らかくする方法
水に重曹と塩を加えよくかき混ぜたものに、お肉を付けて少なくとも2時間ほど漬けます。調理する際は、お肉の塩分をきれいに水で洗い流し、キッチンペーパーなどで水気をふき取って調理します。
材料は、重曹 小さじ1:塩 小さじ1: 水 400㏄ですが、お肉がつからない場合は、量を調節してくださいね。
参考レシピ: http://cookpad.com/recipe/2562324
最近は味の素からでている調味料、お肉を柔らかくする粉があるので、そういったものを使うという手もありますね。急ぎの場合は、家庭にあるものでできると助かりますね。
また、お肉は70度以上の高い温度で長く煮ると柔らかく煮ることができます。
煮込んだすじ肉もおいしいですよね。敬遠しがちなすじ肉の下処理は意外と簡単です。すじ肉も煮込むと柔らかくおいしく仕上がりますよ。牛すじ肉を柔らかくする方法はこちらをご覧ください。
⇒ すじ肉の下処理は?冷凍保存もできる?圧力鍋でも簡単!おでんやカレーにも大活躍!
お肉を柔らかくして食べる!おすすめレシピ
お肉を柔らかくするのに、マーマレードやゆずジャムのような柑橘系のジャムも役立ちます。こちらはフライパンを使ったスペアリブのレシピですが、調味料に漬けこむことでお肉が柔らかくなり味が染みておいしく仕上がります。
フライパンで焼く豚肉のスペアリブ
【材料】
スペアリブ 300~500g
★ ケチャップ 50g
★ マーマレード 100g
★ 醤油 100㏄
★ にんにく 1かけ(すりおろしたもの)
★ 生姜 小さじ1(すりおろしたもの)
【作り方】
1⃣ ジップロックなどに★の調味料を入れて混ぜ、スペアリブを加えたらお肉に味が染みるようによく揉みます。
2⃣ 冷蔵庫で半日または一晩置きます。
3⃣ フライパンに少し油を注ぎ、スペアリブを片面ずつ焼きます。強火で焼くと焦げてしまうので焼き加減を見ながらひっくり返して両面焼きます。大きさにもよりますが、約20分~30分ほどで焼きあがります。
お肉の量が多い場合は、調味料を多めに作ってください。調味料が少ないと味が薄くなりおいしくないです。
お気に入りのこちらのレシピでスペアリブはいつもフライパンで作っています。できれば、一晩置いた方が柔らかくて美味しく仕上がります。漬けこんでおくだけの簡単レシピで、翌日やわらかくておいしいスペアリブが期待できます。
漬けこむ時間が長ければ長いほどお肉も柔らかくなっておいしくなるので、ぜひ試してみてください。
まとめ
今回はお肉を柔らかくする方法についてご紹介しましたが、硬いお肉を柔らかくする方法、またはお肉をより柔らかくしておいしく食べる方法は、どれもわざわざ買い足さなくても、一つや二つくらいは家の中にありそうなもので、すぐに実践できますよね。
特価で激安のステーキ肉や外国産の牛肉、また、焼肉にするときやカレー用の牛肉の下ごしらえなどにも使えます。また、牛タンや牛バラ肉、牛もも肉、ブロック肉に肩ロースやトンテキなどにも使えるので、これらの方法でお肉をより一層おいしく召し上がってくださいね。