
すりおろしたらネバネバで、そのままだとシャキシャキの食感の長芋、好きな方も多い野菜のひとつではないでしょうか?あなたのご家庭ではよく食べていますか?
あまり気にして食べたことがない方も多いかもしれませんが、長芋は非常に栄養価が高く、「山のうなぎ」とよばれるほど滋養強壮の効果もあります。
今回はそんな長芋の栄養と効果効能、加熱した場合の栄養について、美味しい長芋の選び方とおすすめレシピをご紹介します。
長芋は山のうなぎ!
長芋は夏が旬のイメージがあるかもしれませんが、実は旬は春と秋の2回あります。11、12月は「秋堀り」と4,5月は「春掘り」と呼ばれ、秋堀りの長芋はみずみずしくて皮が薄く、根(ひげ)をとれば、皮も食べられます。一方、春堀りの長芋は熟成しているので味にコクがあります。
長芋が2度収穫されるのはご存知でしたか?秋堀りの長芋、皮つきでおろして食べてみたいですね。
そんな長芋の日本での生産量は、北海道と青森が9割を占めるほどで、寒い地方で収穫されているんです。
中国では山の薬「山薬」と呼ばれ、干したものは漢方の原料としても使われています。漢方の古典には、「長時間使用しても害がなく、生命を養い、不老長寿に役立つ」として、現在も滋養強壮作用が高いということで使われているようです。
日本でも「山のうなぎ」と呼ばれるほど、非常に栄養価が高く、滋養強壮作用があることでも知られています。
長芋の栄養と効果効能は?
消化もよく、夏バテ防止に有効なねばねば食材として知られる長芋ですが、具体的にはどんな栄養素を含んでいるのでしょうか?一つずつ見てみましょう。
ムチン
注目すべき長芋の栄養素、何と言ってもねばねば成分の「ムチン」ですね。ムチンは、多糖類のガラクタンやマンナンなどがたんぱく質と結合したヌルヌルとした成分で、おくらや納豆、ツルムラサキなどにも含まれています。
ムチンは胃の粘膜を潤し、胃壁を保護する働きや、消化を促す作用、肝臓や腎臓の機能を高める効果、細胞を活性化させる働きなどがあります。また、体内の粘膜保護をしてくれるので風邪の予防にもなるため、冬には積極的に摂るといいですね。
ほかにも、新陳代謝の促進や老化の予防、肌荒れの予防に疲労回復、便秘の改善などを促します。また、ムチンは糖質の吸収を遅らせ、血糖値の急激な上昇を抑えるので、糖尿病の方や血糖値が高めの方にも非常に有益な栄養素でもあります。
たんぱく質を無駄なく活用させる働きもあるので、スタミナ増強に役立ち、滋養強壮にも用いられています。
ムチンを含む野菜、オクラも栄養満点です。オクラの茹で方はこちらもご覧ください。
⇒ オクラの茹で方と時間、保存方法は?栄養満点、簡単レシピをご紹介!
アミラーゼ、ジアスターゼ
アミラーゼやジアスターゼなどの消化酵素も多く含む長芋は、一緒に食べた物の消化も促進し、胃腸の働きを助ける効果があります。また、新陳代謝を高め、血行を促進する作用もあります。
食物繊維
食物繊維は蠕動運動を活発にし、腸の働きを整え整腸作用があるので、便秘の改善や解消に効果があります。また、血糖値の上昇をゆるやかにするので糖尿病の予防にも効果があります。
ビタミンC
ビタミンCには抗酸化作用があり、免疫力を高め、風邪の予防や老化を防いだり、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病の予防にも効果的です。またシミの原因となるメラニンの生成を抑制するので、美肌効果も期待できます。
カリウム
カリウムは体内の余分なナトリウムを体外に排出し、血圧を下げる効果があります。そのため、むくみの予防や高血圧の予防が期待できます。
コリン
コリンは加齢に伴う記憶障害の改善に有効です。また、脂質の代謝を促して脂肪が溜まるのを防ぎ、血管壁にこびりついたコレステロールを溶かす作用があるので、高血圧や動脈硬化を予防します。
サポニン
高麗人参に含まれることで良く知られているサポニンですが、免疫力の向上やがんの予防に効果のある抗酸化作用や、脂肪やコレステロールを取り除く作用を持ち、血栓の生成を抑制し、血液をサラサラにする血流改善の効果やもあります。
ムチンだけでも十分な効果がありますが、他にもこれほど多くの栄養素が含まれていたんですね!
長芋の効果効能は?
長芋に含まれるムチンの働きに加えて、それぞれの栄養素が加わる事で、次のような効果が期待できます。
☑ 滋養強壮
☑ 消化促進
☑ 疲労回復
☑ 高血圧や動脈硬化の予防
☑ 免疫力の向上
☑ 糖尿病の予防
☑ 老化の予防
☑ コレステロール値の低下
☑ 便秘の解消
☑ 冷え性改善
☑ むくみの解消
☑ ダイエット効果
☑ 美容・美肌効果
これだけの効果があることを知ってしまうと、これから長芋を食べないわけにはいかないですね。
蒸した長芋の効果がすごい!
こちらは、がんが治った(小さくなった)、「蒸した長芋」の効果がすごいというお話しです。
神奈川県の黒岩知事のお父様ががんで余命2ヶ月と言われたときに、蒸した長芋を1日3食、食べ続けて治癒されたそうです。動画を見て耳を疑いましたが、長芋のパワーはすごい!と感動したので、ぜひご覧ください。
【動画:蒸した長芋のチカラ】
https://www.youtube.com/watch?v=9Dn2PrnBxuQ
にわかには信じがたいお話ですが、長芋のパワーは絶大ですね。この話を知ってから、調子が悪いという話を聞くとむした長芋を進めています。ぜひ食生活に積極的に取り入れたいですね。
おいしい長芋の選び方は?
生の長芋を購入する場合、丸ごとの物とカットされた物が売られていますよね。どれも同じに見えますが、新鮮でおいしい長芋の選び方があります。
丸ごと一本の長芋を選ぶ場合のポイントは、次のような点です。
✅ 表面の色が黄みがかった肌色で、張りつやがある
✅ ふっくらと真っすぐに伸びたもの
✅ ずっしりと重みのあるもの
✅ 表面に黒っぽいシミや傷のないきれいなもの
また、長芋にはひげ根がありますが、これが残っているけど、元から少ないものを選ぶとアクが少なくて良いとされています。
カットされた長芋を選ぶ場合は、次のようなものを選びましょう。
✅ 切り口が白くみずみずしい
✅ なるべく太いもの
切り口が変色しているものは鮮度が悪いので避けましょう。また、細いものや、首(長芋の先端)に近い細い部分のものはアクが強い事が多いので、なるべく太いものを選ぶのがおすすめです。
長芋はすりおろしても保存が可能です。保存方法や保存期間に関してはこちらもチェックしてみてください。
⇒ 長芋の保存方法、冷凍やすりおろしで1ヶ月保存!とろろの変色も防止できる!
長芋は加熱すると栄養はどうなるの?
長芋は、芋類の中でも珍しい、生で食べられる芋です。
ムチンの持つたんぱく質分解酵素、アミラーゼ・ジアスターゼは熱に弱く、加熱すると消化促進と、胃腸の働きを助ける効果が弱まってしまいます。ですので、消化促進等の効果を得たいのであれば、すりおろしやとろろなど、生で食べる方が効果的です。
あるいは、すりおろした長いもにだし汁などを加えたとろろ汁も美味しいですが、消化促進などの効果を期待するのであれば、熱々のものよりも人肌くらいまで冷ましたものを加える方が良いでしょう。
すりおろしてそのまま食べるのもおすすめですが、ちょっとアレンジして違う食感を時には楽しんでみたいですよね。
長芋のおすすめレシピ
生で十分おいしいので、生で食べることが多い長芋ですが、歯ごたえのいい食感を生かしたレシピを今回はご紹介します。
長芋の磯辺焼き
こちらは長芋を使った磯辺焼きです。長芋は生でも食べられますので、軽く焼き色がつけばOKです。
【材料】
長芋…10cmくらい
しょうゆ…大さじ1
焼きのり…適量
作り方は輪切りにした長芋をフライパンで焼き、醤油で味付けをします。冷めたらのりを巻いてできあがりです。
出典: http://cookpad.com/recipe/2181609
⇒ 長芋の磯辺焼き
とろろのチーズ焼き
長芋のとろろでグラタンのようなできあがりです。和と洋のコンビネーションが絶品です。
【材料】
長芋…10cmくらい
きざみネギ…大さじ2
A(めんつゆ・牛乳…各大さじ2、塩・こしょう…少々)
とろけるチーズ…適量
【作り方】
すりおろした長芋とネギ・Aを混ぜ、耐熱の器に入れてチーズをのせてトースターで焼きます。
長芋とおくらの梅ポン和え
こちらはオクラと長芋を和えたシンプルな和え物です。ねばねば同士の相乗効果で栄養価アップ、ムチンの栄養を思う存分期待できます。
【材料】
長芋…8cm
オクラ…6本
乾燥わかめ…小さじ2
梅肉…1個分
ポン酢…大さじ1
ごま油…小さじ1/2
【作り方】
オクラはさっとゆでて小口切り、ワカメは水で戻し、長芋は千切りにします。調味料とともに混ぜ合わせて完成です。
出典:http://cookpad.com/recipe/2215460
長芋は、ジャガイモや里芋と違って生でも焼いても食べれるので、使い道に困りませんね。ぜひ、こちらのレシピを試してみてください。
まとめ
今回は長芋の栄養や効果をまとめてみましたが、スタミナ食材として知られる長芋ですが、滋養強壮だけでなく、がんまで治すとは驚きですよね。
美容にもとても良い働きをしてくれるので、女性にもうれしい情報です。煮ても焼いても美味しい長芋ですが、疲れがたまっている時には生で食べるなど、工夫するのもおすすめです。
この機会に、ぜひ食生活に長芋を取り入れて、健康にお過ごしください。