力をつけたいときやガッツリ食べたいときはやっぱり牛肉ですよね。でも牛肉は豚肉や鶏肉に比べると少し高いし…。そんなことから、お得な値段のときにまとめ買いして、冷蔵庫や冷凍庫で保存している方もきっと多いですよね。何を隠そう私もそのうちの一人です。
せっかく買っても正しく保存できていないと、おいしくもないですし、食中毒の危険もあります。今回は、牛肉の冷蔵や冷凍庫での保存方法、保存期間や解凍の方法についてご紹介します。
牛肉の冷蔵庫での保存方法、保存期間や賞味期限は?
基本的に牛肉は常温での保存はできません。肉の保存は原則5度以下とされているのですが、これは肉に付着した雑菌やカビ類の繁殖を抑えたり、その繁殖活動のスピードを緩めたりするためです。
ですので、牛肉は必ず冷蔵庫で保存しましょう。
ただ、冷蔵庫の中も毎日の開け閉めで温度が上がったり下がったりして一定ではないので、外の空気に触れにくくするためにも、できるだけ奥の方、チルド室だと0度前後に保たれて、最も鮮度が保てる場所なので、チルド室があればそこに保存しましょう。
部位によって消費期限が変わる!
牛肉は、ひき肉、薄切り、厚切りなど、用途や部位に合わせて違った大きさで売られています。
空気に触れる面が多ければ多いほど、その分雑菌も付きやすいので、小さく切っているものほど傷みやすいです。
傷みやすい順に並べると次の通りです。
ひき肉 ⇒ 細切れ ⇒ 薄切り ⇒ 角切り ⇒ 厚切り ⇒ 塊(ブロック)
各部位の大体の消費期限の目安は次の通りです。
ひき肉は、当日~1日程度
細切れ・薄切り・角切りは、2日~3日程度
厚切りは、4日程度
塊は、5日程度
消費期間は、その日までは安全に食べられる期限ですので、パッケージに記載されている日を守るようにしましょう。また、特に内臓肉は菌が繁殖しやすく痛みやすいため、大きさにかかわらず、当日に使い切りましょう。
ちなみに、冷蔵保存していると肉から余計な水分が出ていることがあります。冷蔵庫で保存する際は、これをふき取ってから保存すると臭みが取れます。空気に触れても劣化が早くなるので、ぴったりとラップをし、保存バックなどに入れて保存しましょう。
牛肉の冷凍保存方法は? 保存期間は?
買ってきてすぐに使わない牛肉は冷凍保存が便利です。
ただ、数日冷蔵庫で保管していたものを使わないからと冷凍保存するのはあまりおすすめできません。
その理由は冷蔵庫での保管中に劣化しているため、それを冷凍・解凍して食べても残念ながらおいしくないからです。ですので、冷凍するなら必ず新鮮なうちにしてしまいましょう。
また、冷凍するのに時間がかかると完全に凍るまでに牛肉の劣化を進めてしまいます。できるだけ早く冷凍させるために、塊なら切り分けたり、スライスやひき肉ならば薄く広げたり、小分けにして保存しましょう。
その際も、冷蔵保存同様、ラップでぴったりと包み、保存バックなどに入れて空気に触れないようにするのがポイントです。
冷凍保存した牛肉の賞味期限は1ヵ月程度ですが、早めに食べたほうがおいしいですよ!
牛肉の冷凍保存、2ヶ月や半年過ぎると?
冷凍庫に入れていたのを忘れてしまって、気が付けば2ヶ月前に冷凍したものだった!なんてこと、ありますよね。2ヶ月経っていたからと言って食べられないわけではありません。
そこは、牛肉の色で判断できます。
まず、牛肉が茶色や黒っぽく変色してしまっている時。元々、牛肉はカットされた時点では茶色なのですが、牛肉に含まれる「ミオグロビン」と呼ばれる色素たんぱく質の作用により、空気に触れることで酸化し赤くなります。
マグロやカツオが赤いのもこのミオグロビンの働きによります。
さらに時間が立ち酸化し続けるとメトミオグロビンと言う物質に変化し、茶色や黒色に変わるのです。
これは腐っているわけではないのでしっかり火を通せば食べられます。しかし、酸化している証拠なので味はあまり期待できません。
次に、牛肉が緑色に変色してしまっている時。これはメトミオグロビンの状態からさらに酸化し、コールミオグロビンと言う物質に変化した状態です。
これは「グリーンミート」と呼ばれ、肉そのものが食べられない、腐った状態を言います。ですので、牛肉が緑色になってしまっていた場合は、迷いなく捨ててください。
色だけでなく、ヌメリが出ていたり、ものすごい異臭を放っているときは明らかに腐っているので処分してくださいね。
また、冷凍焼けしているだけなら食べられますが、パサパサして味も落ちて美味しくないと思います。
長期保存したいからと冷凍庫に保存することが悪いわけではありませんが、半年や1年と保存しておくのは止めておいた方が良さそうです。
せっかくの牛肉を美味しくいただくためにも1ヵ月程度で食べきることをおすすめします。
下味をつけても、ローストビーフも冷凍できる?
牛肉に下味をつけることによって肉がコーティングされ、菌が付きづらくなるため、冷蔵でも冷凍でもタレに漬けたり、味付けをしておくと保存がききやすくなります。
下味をつけておくと、調理の際に味付けをする必要がなく、また、調味料の働きによって肉が柔らかくなったりジューシーになったりすると言う利点もあります。
また、牛肉の塊肉と言えば、ローストビーフですが、家で作ると量が多くて1度で全部食べられないこともありますよね。2~3日で食べ切れるなら冷蔵保存でもOKですが、無理なときは冷凍保存もできます。
ブロックのまま冷凍すると一番美味しさが逃げないのですが、冷凍・解凍に時間がかかってしまうのであまりおすすめできません。ローストビーフも生肉同様、小分けにし、空気に触れないようにして冷凍保存しましょう。
こちらも1ヵ月程度で食べきるようにしましょう。
牛肉の解凍方法は?解凍後の賞味期限は?
解凍方法を間違えば、牛肉の劣化をさらに進めてしまい、せっかく正しく保存できていてもまずいお肉になってしまいます。
冷凍した牛肉を解凍したときに肉から赤い水分が出ていたことはありませんか?これは「ドリップ」と言って肉の旨みや栄養分です。これをできるだけ出さないようにすることで牛肉を美味しく食べることができます。
冷凍した牛肉を一番おいしく食べるには冷蔵庫で解凍する「自然解凍」です。
自然解凍は時間がかかりますが、牛肉全体を低い温度で保ちながら解凍できるのでドリップをあまりださずに解凍できます。
次におすすめが「流水解凍」です。
お肉が直接水に浸らないようにしっかり密封したまま、水を張った容器に入れ流水で解凍する方法です。自然解凍よりはドリップが出てしまいますが早く解凍できるため、量が多いときや急ぐときには良いかと思います。
最後はあまりおすすめできませんが「常温解凍」する方法もあります。
冷蔵庫よりは早く解凍できますが、お肉の外側と中心の温度に差が出てしまい、ドリップがたくさん出てしまいます。また外側の部分の劣化を早めてしまうだけでなく、外側は解けていたけれど中心はまだ凍っていたなんてこともあります。
できれば、常温解凍よりも流水解凍の方が解凍時間も短く済むのでおすすめです。
また、電子レンジの機能性にもよりますが「解凍メニュー」でドリップをあまり出さずに解凍できるものもあります。解凍してドリップがすごくでる場合は、おいしく食べるために止めた方がよさそうですが、電子レンジも使えますね。
急いでいるときや忘れてしまったときに、流水解凍や電子レンジで解凍するのは仕方ありませんが、美味しく食べるためにも使う前日に冷蔵庫に入れておくことがベストですよ。
まとめ
冷凍するには、日にちをおかずにすぐに冷凍するのがやはりおいしく食べるにはいいんですね。また冷凍しても1ケ月くらいで使い切ったほうがよかったり、解凍するのも冷蔵庫での自然解凍がいいということがわかりました。
せっかく購入した牛肉を、腐らせてしまって食べられない、また、食べられるけど美味しくないなんてことの無いように正しい保存方法、保存期間を守って、ぜひ、美味しく安全に食べてくださいね。