秋は栗のおいしい季節です。栗ご飯に栗きんとん、甘露煮など、塩茹でだけでも美味しいですが、調理することでより一層栗の美味しさを味わえますよね。
しかし、栗を人から頂いたり、栗拾いで収穫したりすると、意外と大量で一気に使い切れないことがあります。
栗はきちんと保存しておかないと、カビが生えたり、虫に食われたりして食べられなくなってしまいます。せっかくですから、正しく保存して、秋の味覚の栗を長く楽しみたいですね。
今回は、栗の保存方法や保存期間、皮つきやむき栗の場合、おいしい栗の選び方についてご紹介します。
生栗の保存方法、保存期間は?
栗を全く処理していない生栗の場合、保存するにはどのように保管すればいいのでしょうか?
常温で栗を保存する場合
新聞紙に生栗を包み、日の当たらない涼しいところで保存します。虫が付いていなければ、かなりの期間保存することができます。
冷蔵庫で保存する場合
栗の汚れが気になる場合はふきんなどできれいに拭き、新聞紙に包んで冷蔵庫で保存します。保存期間は1~3ヵ月程度です。
ただ、冷蔵庫内は湿度が高めなので、カビには注意しましょう。新聞紙が湿ってくるようなら、その都度取り替えましょう。
冷蔵庫に入りきらない場合は、水を張ったバケツによく洗った栗を入れて冷暗所で保存しておけば乾燥を防いで保存することができます。ただし、水は毎日変えてくださいね。この場合、保存期間は1~2週間です。
栗を冷凍保存できる?
栗は冷凍保存ができます。きれいに洗った栗をフリーザーバッグなどに入れ、空気をしっかり抜いて冷凍庫で保存します。これでなんと半年程度、保存が可能です。
使い方は、解凍せずに凍ったまま茹でます。皮を剥いて使いたい場合は、熱湯に5分位浸けて解凍すると、皮を剥いて使えます。
処理をしてから保存する場合
栗は外から見ただけでは分かりませんが、中に虫が入っていたり、薄皮と鬼皮の間に虫が卵を産んでいたりします。
そうした場合、何も処理をしていないと、常温・冷蔵保存期間中に虫に食われて食べられなくなってしまいます。
ですので、栗を無駄にしないためにも、できれば下処理をしてから保存することをおすすめします。
【下処理の方法】
栗 … 1キロ
水 … 2リットル
調理用温度計
1⃣ 鍋に水を入れ、火にかけます。
2⃣ 75~80度になったら素早く栗を入れ、1分間茹でます。80度以上に上がらないように注意します。
3⃣ 栗を引き上げ、陰干しして乾かします。
4⃣ 穴を開けたビニール袋に入れて冷蔵庫で保存します。
栗や水の量は、手元にある栗の量で調節してくださいね。ただし水の量、茹で時間は厳守してください。この処理をしておけば安心して冷蔵保存できます。結露せず、乾燥しすぎない状態であれば2ヵ月程度は持ちます。なお、少し火が通っているので常温保存はできません。
もちろん、冷凍保存も可能です。保存期間は処理前と同じで半年ほどと長期保存が可能です。
栗の甘さを引き出す方法は?
栗は収穫した直後よりも、4~6週間低温(0度)貯蔵することで、でんぷんが糖に変わり甘さが3倍程度にもなります。その後、少しずつ糖度が下がり始めます。
つまり、より甘い状態の栗を楽しむためには、収穫後、新聞紙に包んでチルド室か冷蔵室の1番冷える場所に4~6週間置いておき、甘みを引き出してから食べると良いでしょう。
食べられない分は冷凍保存してしまいましょう。マイナス25度以下で保存すると甘い状態を保つことができます。
ただ、4~6週間も置いておくなんて、やっぱり”虫”のことが心配ですよね。そんな時は3日~4日程度でもかまいません。3日~4日置いておいただけでも、3倍とはいきませんが、即日よりは美味しく頂くことができますよ。
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むき栗の保存方法は?
むき栗は冷蔵保存ではほとんど日持ちしません。保存できても2日~3日程度です。ですので、むき栗は冷凍保存することをお勧めします。
むき栗を生のまま保存する場合
むき栗をそのままフリーザーバッグに入れて冷凍すると、使うときには乾燥してパサパサになってしまいます。
冷凍の際は、むき栗をフリーザーバッグに入れたら、栗に対して2割程度の量の砂糖をまぶして揉み込み、砂糖が馴染んでから冷凍すると乾燥を防ぐことができますよ。
使うときには砂糖を洗い流してから使ってくださいね。
むき栗を茹でてから冷凍保存する場合
栗を茹で、荒熱が取れたら、しっかりと水気を切り、ジッパー付きの保存袋に入れます。茹でた栗は味が落ちやすいのですが、出来るだけ空気を抜いて真空状態にすると美味しいまま保存できます。
電子レンジで1分程度加熱すればすぐに食べられますよ。
栗の茹で方は意外と簡単です。お鍋でさっとできる茹で方はこちらをご覧ください。
美味しい栗の選び方は?
栗の選び方として、水に浮かべると言う方法がありますが、スーパーで購入するときや栗拾いではこの方法は使えませんよね。
目で見て、手で持ってみて美味しい栗を判断するには次の点に注意してみてください。
✅ 鬼皮に張りと光沢があり、丸みがあるもの
新鮮な栗は鬼皮に張りと光沢があります。平たい粒のものは、イガの中で他の栗につぶされたものです。
ふっくらと丸みのあるものを選びましょう。
✅ 小さな穴や黒ずんだところが無いもの
小さな穴は虫が入り込んだ可能性があり、黒ずんだところは傷がある可能性があります。
✅ ずっしり重みがあるもの
これが特に重要かもしれません。収穫後、日が経っていると乾燥して実が痩せて軽くなります。虫食いのものも中が空洞になるので軽いです。
また、十分に栄養が回っていないものは新しくてもしっかり膨らんでいないので軽いので選ぶときに注意してみてください。
まとめ
今回は栗の保存方法についてご紹介しましたが、すぐに食べないといけないと思っていた方も多いのではないでしょうか?実は私もそのうちの一人です。工夫次第で半年も保存が可能なんて知ったときは驚きました。
上手に選んだおいしい栗も保存方法次第で、半年は楽しむことができそうですね。きちんとした保存方法でぜひ、美味しい栗を堪能してくださいね。