京都のブランド京野菜のひとつ海老芋。里芋の品種のひとつなんですが、大きいものは里芋よりもかなり大きく粘り気が強いのが特徴です。煮崩れもしにくく風味豊かでなめらかな舌触りととても美味しいことで評判の海老芋。
関西以外ではあまり一般に流通するものでもなく、お値段も高級なこの食材は偶然でも手に入れば嬉しいものですが、珍しい食材相手に困惑するのが調理法や下処理はいるのか?などといった疑問ではないでしょうか。
ただ、難しいことは何もありませんので心配ご無用です。今回はそんな海老芋の下処理や美味しい食べ方をご紹介します。
海老芋とは?
“海老芋”なんて、なんだかおめでたい名前ですよね。「えびいも」と読むこの野菜は、里芋の品種の一つです。表面に縞模様があり、少し湾曲した形が海老に似ていることからそう呼ばれているのだとか。
京都の伝統的な京野菜で、「京いも」と呼ばれることもある海老芋は、京都以外にも大阪府や静岡県でも栽培されており、関西を中心に流通しています。
栽培に手間がかかり、しかもお味はとても美味しいため高級品として扱われています。秋から冬にかけて出回る海老芋はおせちにも用いられる事も多いんですよ。
海老芋の下処理は?
海老芋はアクが強いため調理の前にあく抜きをしておく必要があります。
まず表面をよく洗い、上下の部分を少し切り落とし、適当な大きさに切ります。調理しやすい大きさに切ったら皮を厚めにむき、水に放ちます。
大体30分~1時間程水に放った後、水気を切って調理します。
海老芋や里芋を触って、痒くなってしまうこともありますが、そんな場合には酢水で洗うとかゆみがとれますので、お試しくださいね。
また煮物にする場合など、煮汁を濁らせたくない場合にはぬめり取りをしておくことも美味しく仕上げるコツです。ぬめりがあるとどうしてもお味が材料に入りにくく、火の通りも悪くなり、また、見た目も美しくありません。
ぬめり取りの方法は、
1⃣ 皮をむいた海老芋を塩大さじ1を振ってよくもみ、水で洗い流します。
2⃣ よく水気を切った後、鍋で水から下茹でをしておきます。強火にかけ、沸騰したら火を弱めて2~3分茹でてザルに取り、流水で表面のぬめりを洗い流します。
この時、茹で水に米のとぎ汁を使用すると、より効果的にぬめりを押さえることができます。
レシピによってはぬめりを洗い流すだけで特に下茹でを不要とする場合も多いですが、この一手間を加えることで仕上がりに差が出ます。
海老芋の食べ方は?
里芋と同様に様々な食べ方のできる海老芋。代表的なのはやはり煮物です。しっかりめの味付けで煮っころがしにしたり、海老と一緒に炊くのもおすすめです。
素揚げにして塩を振って食べても素材の美味しさを味わうことができますし、唐揚げにするのもおすすめです。コロッケにするとホクホクとろりとした食感にほのかな甘みも味わえて、なんとも言えない美味しさです。
この他、ちょっと意外ですがグラタンに入れたりシンプルに焼き付けたり、様々な味わい方ができますよ。
海老芋のおすすめレシピは?
このように様々な美味しい食べ方ができる海老芋。煮物なんかはご家庭の味がありますから、ここではちょっと変わったレシピをご紹介します。変わり種といってもどれもバツグンに美味しいんですよ。
海老芋のステーキ
海老芋でステーキ!?とちょっとびっくりしますが、おすすめの一品です!味付けはシンプルながら、表面のカリッと香ばしく焼いてあるところとなど、なんとも言えません。
1⃣ 海老芋は皮をむき2センチほどの厚さに切ります。鍋にだし汁100ccと酒・醤油・みりんそれぞれ大さじ1を加え、海老芋を入れて5分ほど煮ます。
2⃣ 煮終えたら1⃣をそのまま冷まします。冷めたら水気を切り表面に小麦粉をまぶしてバターかオイルを引いたフライパンで両面を焼きます。
3⃣ 味付けは塩コショウとお好みでガーリックパウダーなどもおすすめです。両面がカリッと焼けたらできあがりです。
参考レシピ:https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1780013015/
海老芋のチーズコロッケ
こちらは作っておいた煮物をコロッケにリメイクするレシピです。たくさん炊いたけど煮物に飽きちゃったという時にはもってこいのレシピです。
煮物の作り置きがなければ、もちろん新たに茹でたものに味付けを足して作ることも可能です。真ん中にチーズを入れることでリメイクの煮物も新たな味わいになりますし、コロッケにすることでお弁当にも入れやすくなりますね。
1⃣ 海老芋の煮物をマッシャーで潰してペースト状にします。固いなと感じたら生クリームを大さじ1くらい加えて調整して下さい。
2⃣ 真ん中に一口サイズにカットしたプロセスチーズを包んで丸め、衣をつけて油であげます。
参考レシピ:https://cookpad.com/recipe/4296614
まとめ
普段使い慣れない海老芋も、こうしてみると特別難しいことはありませんよね。料亭などでも使われる高級食材である海老芋ですが、このように家庭でも手軽に美味しく調理することができるんです。
里芋と同じ感覚で食べてみたらびっくりするほど、また違った味わいで美味しいので、もしスーパーなどで出会ったら、ぜひ試してみて下さいね。