長芋は丸ごと1本買うと使い切るのにしばらくかかります。そんな時、少しでも長く保存できる方法があればうれしいですね。
また、生でおいしい長芋ですが、すりおろしてしまったとろろを食べきれずに仕方なく処分しているかもしれませんが、もったいない!すりおろした長芋も保存できるんです。そして、あのとろろの茶色や赤い変色も防ぐことができます。
ということで、今回は長芋の保存方法、常温や冷凍、すりおろす時のかゆみや変色の防止、長芋の選び方、おいしい長芋のすり方についてまとめてみました。
長芋の保存方法、丸ごとやカットした場合は?
早速、長芋を1本丸ごと、または切ったものは、それぞれどのように保存すれば長持ちするのか見てみましょう。
長芋丸ごと、保存の仕方は?
長芋は1本丸ごとそのままの場合、常温で保存が可能です。保存する際には新聞紙でしっかりと包んで冷暗所で保存します。
保存期間は1ヶ月またはそれ以上と意外と賞味期限は長いです。
ただ、長芋は暑いところは苦手なので、25℃以上になった場合は同じように新聞紙にしっかり包んで冷蔵庫で保存しましょう。
カットした長芋の保存法は?
カットした長芋は、切り口から傷んでくるのが早いです。そのため、正しく保存する必要があります。
保存方法は、
1⃣ 切り口を乾いたペーパータオルなどでさっと拭きます。
2⃣ 表面が濡れているようなら、しばらく放置して乾燥させます。
3⃣ 切り口の表面が白い粉が吹くくらい乾燥したら、空気に触れないようにラップなどでしっかり覆い輪ゴムなどで止め、冷蔵庫で保存します。
できれば、さらにラップの上から新聞紙に包むとベストです。カッとした長芋はパックに入って売っていたりしますが、この場合は切り口が乾燥しないようにすでに処理されているので、このまま常温で保存するか、暑い季節は冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
カットした長芋は、冷蔵庫で1週間~10日ほど保存が可能です。
また、すりおろして余ったとろろも冷蔵庫で保存ができます。賞味期限は3日ほどと意外と日持ちします。
長芋は冷凍保存で長持ち!
長芋は意外ですが、冷凍できるんです。冷凍する方法は2通りあります。
まず、一つ目は下処理をしてそのまま保存する方法です。
1⃣ 長芋の皮をむいて、解凍した時の酸化の色止めのために、薄い酢水(1リットルに大さじ2の酢)に入れて5分ほど漬けておきます。
2⃣ ペーパータオルで水気をふき取り、ラップを2重にして包み、保存袋に入れて空気をしっかり抜いて冷凍庫で保存します。
冷凍した長芋はとろろにすることもできます。すりおろし方は、凍ったまま使う分だけラップをはがし、ラップの部分をもってすりおろします。残りはまた冷凍庫に戻します。この方法、とっても便利ですよね。
凍ったまま擦りおろすのは、硬くて力が必要ですが、その分なめらかでクリームのような舌触りのよい食感に仕上がります。
また、短冊切りなど、使いやすい大きさに切ってから冷凍してもOKです。
2つ目はすりおろしてから冷凍する方法です。
1⃣ 長芋を洗って皮を剥き、擦りおろしたら、保存袋に入れて薄く板状に伸ばし空気を抜いて封をします。
2⃣ 平らな場所で割りばしなどで線を入れ、割りやすいように形を作って金属バットなどに置いて冷凍させます。
すりおろして冷凍したものは自然解凍すると、長芋の特徴である粘りやとろみを失うことなくおいしく食べられます。一度に長芋を全部擦りおろして、残りは冷凍しておけば、食事のときに後々便利ですね。
長芋は味をつけてから冷凍することも可能で、冷凍すると手がかゆくならないというメリットもありますよ。
長芋は冷凍しても食感も味もそれほど落ちることがないので、おいしいうちに使い切れないと思ったら早めに冷凍するのがおすすめです。
どれも冷凍期間は1ヶ月ほどで、食べるときは自然解凍します。無理に解凍すると食感が悪くなるので、冷蔵庫に入れて解凍するなどゆっくり時間をかけましょう。
長芋の見分け方、選び方は?
同じように見える長芋ですが、選ぶ時には次のような点に注意しましょう。
✅ 太さが均一なもの
✅ 重くてずっしりしているもの
✅ 切り口が白いもの
ちなみに長芋にかびが発生している場合、その部分を切り落とし、断面が白くてきれいであれば食べられます。切り落としても色が変色している場合は、古くなっているので処分しましょう。
ちなみに、長芋、大和芋、自然薯、山芋、やまのいもの違いをご存知ですか?
山芋とは生で食べることができる「ヤマノイモ科」の総称なんです。
自然薯は天然の山芋で長芋とは品種が異なります。細長いくねくねした形で自然に生息し、掘り出すのが簡単ではないので高値で販売されています。
大和芋はとろろ芋とも呼ばれ強い粘りでとろろに向いています。一方、長芋はその名の通り、まっすぐの長くて丸い筒状で大和芋に比べると水分が多く、粘りも弱いです。とろろとしても食べますが、短冊切りにして炒めたり煮物にして食べるのも人気ですね。
ねばねばが特徴の長芋はムチンという成分を含みます。ムチンは新陳代謝をよくし疲労回復にもつながるため長芋は「山のうなぎ」とも呼ばれるほど滋養強壮にぴったりの食材です。また、目や胃の粘膜を保護する役割も果たしてくれます。
むした長芋を食べたら、がんが治った!?という不思議なお話も。長芋の栄養価や効果効能、ぜひこちらもチェックしてみてください。
⇒ 長芋の栄養と効果効能、加熱するとどうなる?「山のうなぎ」で滋養強壮の長芋パワー!
長芋をおいしく食べるすり方は?
いつも気にせずすりおろしている長芋もおいしく擦る方法があります。
長芋の擦りおろし方には次のようなことを気にしてみましょう。
✅ 食べる直前に皮むきをして擦りおろす
✅ 目の細かいおろし金などで擦る
長芋や山芋などもそうですが、事前に擦りおろしておくよりも食べる直前にすりおろしたほうがふわふわしておいしく仕上がります。また、細かい目のおろし金で擦ることで舌触りのよい、よりとろとろした食感を味わうことができます。
長芋は旬が11月から1月と4月、5月の2回あり、秋の旬の時期は皮が柔らかいので、皮も一緒にすりおろしてとろろとして食べることができます。
もし、長芋にひげ根がある場合は、包丁でカットするよりもガスの火で焼ききるときれいになくなります。
変色を防止するには?
長芋はすりおろしてから時間が経つと、長芋に含まれるポリフェノールオキシダーゼという酵素で酸化してとろろが茶色や黒くなることがあります。これはあくのせいで、食べるには問題はありません。
この色が変わるのを抑えるにはすりおろした長芋に、2~3滴の酢を入れて色止めします。また、皮むきをして下ごしらえの時に切ったものを酢水に浸けてあく抜きをすると、色が変わるのを防止でき、ぬめり取りにもなります。
長芋はカットすると、その部分から変色しますが、そんな時も切り口にお酢を塗っておくことで変色を防ぐことができます。乾燥することでどうしても酸化が進んでしまいますので、使うときは切り口を薄くカットして使うと、おいしく食べられますよ。
かゆみを止めるには?
長芋の皮を剥いたときやすりおろすときに手がかゆくなりますよね。これは長芋に含まれるシュウ酸カルシウムという成分がとがったとげのようにチクチクと肌にささるためです。
手がかゆくならない方法は皮を剥いた長芋を、酢水に5分ほど浸けておきます。シュウ酸カルシウムが酸と反応することで、皮膚を刺激しにくくなり、かゆみを抑えることができます。
酢をつけると臭いが気になりますが、長芋の粘りが消えたり、味が変わったりしないので安心してください。
夕食時はバタバタして先に長芋を擦って準備しておくこともあると思います。そんな時、なぜ変色するのかなと疑問だったのですが、お酢を使うときれいな白さを保てたり、かゆみをとめることができるんですね。
長芋のおいしい食べ方
長芋を使った料理はいろいろありますが、何といっても生で卵やお醤油をかけて食べるのもおいしいですし、ざるそばやとろろかけごはんにしても美味ですよね。
他にも、長芋は煮物や炒め物などの調理方法で使える万能野菜で、長芋のスープや汁物、鍋などの料理もおすすめです。他にも保存食や漬物として常備しておくことも可能で、醤油やお酢につけてもシャキシャキの食感が楽しめます。
また、お好み焼きに長芋を入れるとふわふわでおいしいという話をご存知の方も多いですよね。お好み焼きに長芋を入れるなんてちょっと贅沢ですが、ほんとに食感がよく、おいしくなるので、まだ試したことがない方はぜひ作ってみてください。
まとめ
今回は長芋の保存方法、常温や冷蔵、冷凍についてご紹介しましたが、長芋はどんな状態でも保存が可能ということがわかりましたね。
また、長芋のすり方も長芋をするときにちょっと気をつければ、おいしいふわふわのとろろが作れるのでぜひ試してみてください。
いろんな調理法で使い方の多い長芋、これからどんどん食生活に取り込んでみてくださいね。