はちみつはいつの間にか固くなって、何度振っても出てこないようになったりしてませんか?それって実は何気なくしているある習慣が原因なんです。
今回は、はちみつの保存方法や保存に適した保存容器、賞味期限についてご紹介します。
はちみつの保存方法は?
はちみつは食品の中で唯一腐らないものと言われています。そんなはちみつの保存法はどのようにすると良いのでしょうか?
はちみつの常温での保存、夏も冬もOK?
基本的に、蜂蜜の保存の仕方は、年中、常温保存で大丈夫です。開封していても問題ありません。ただし保管場所については湿度の高い水回りなどは避け、なるべく湿気の少なく涼しい場所に保管します。
また、冬の寒い季節には変色して白く固まることがよくあると思います。その時は後程ご紹介する温める方法で再び柔らかくできますよ。
はちみつは冷蔵庫で保存してもいいの?
ジャムなどと同じ感覚で、ついついはちみつも冷蔵庫に入れてしまいそうになりますが、はちみつは温度の低い環境では結晶化してしまいます。
普段は透き通った金色の液体であるはちみつですが、結晶化すると白い濁った色になり、振っても中身が動かないくらいに固まってしまいます。
この状態でも元には戻せますが、手間が増えるだけなのでやはり冷蔵保存は避けましょう。
はちみつは冷凍保存できる?
はちみつを凍らせようと冷凍庫に入れてみて下さい。一晩経った頃にチェックしてみると、あら不思議!全く凍っている気配がありません。
実は、はちみつは糖度が高く、凍結しないんです。
でも冷凍庫という温度の低い場所においておくと凍らなくても結晶化してしまうのでは?と思いますよね。でも、はちみつは5℃以下になると結晶化しにくくなる性質のため、冷蔵保存した時のようにはならないのです。
つまりはちみつは冷蔵保存には向いていませんが、冷凍保存は可能ということです。
それでもやはり、やや固めにはなりますし、あまりにも長期間冷凍庫に入れておくと固まってしまうこともあるので冷凍保存したときは時々様子を見て下さいね。
ちなみに開封すると腐るのが意外と早いメープルシロップも冷凍しても凍らないので、冷凍保存がおすすめですよ。
はちみつの保存容器は?
最近ではプラスチック製のボトルに入ったはちみつも多く見かけるようになりましたが、長期にわたって保管をするのであれば、やはり瓶の入れ物がおすすめです。
結晶化を溶かすために湯煎するにしても安心ですし、プラスチックの匂いがはちみつに移ってしまう心配もありません。
ただ、もし、瓶の容器に移し替えるのであればしっかりと煮沸消毒してからにしましょう。
はちみつが固まるのはなぜ?
ところで、はちみつが固まる原因、理由はなぜなのでしょうか?
低温の環境ではちみつがかたまる「結晶化」という現象は、はちみつに含まれるブドウ糖の特性によるところが大きいのです。ブドウ糖は14℃以下の低い温度だったり振動を与えられることで結晶化する性質を持っています。
つまり、何気なくはちみつを振ったり、冷蔵庫での保存や冬になると結晶化しやすいんです。
ところが、このブドウ糖の働きは5℃を下回る環境下では、鈍くなるため結晶化しにくくなります。
また、はちみつはそのおよそ8割が糖分でできており、この糖分も果糖とブドウ糖の二種類の糖が合わさって構成されています。この構成は、はちみつのもととなる花の種類や環境によって異なります。ブドウ糖の割合が大きいはちみつは結晶化しやすく、そうでないものは結晶化しにくいと言われています。
はちみつが結晶化して固まったら?
はちみつは白くなることがありますが、これは結晶化したためで、食感もシャリシャリとしてしまいます。これが美味しいという方も中にはいるかもしれませんが、元に戻す方法を知っていたほうが何かと便利ですよね。
結晶化して白くなった、固まった蜂蜜の溶かし方は45℃くらいのお湯に瓶ごとつけておくと、元の透明なはちみつに戻ります。
この時、お湯が60℃を超えるとはちみつの酵素や栄養が破壊されてしまいますので注意してくださいね。
からだにいい健康食品として知られるはちみつには殺菌効果があり、効能としては風邪やのどの痛みにもおすすめです。咳止めに効果のあるはちみつ大根の作り方もご紹介しているので、ぜひこちらもご覧ください。
はちみつの賞味期限切れは食べられる?
ご存知かもしれませんが、賞味期限とは「おいしく食べられることを保証する期限」です。つまり、この日付を多少超えたとしてもお腹は壊さないけれど風味や美味しさは損なわれてしまうということです。
ちなみにお肉や豆腐といった生鮮食品等には「消費期限」というものが設けられており、これはこの日付・時刻を超えると食の安全は保障できないということです。
はちみつは強い殺菌作用を持ち、また成分中の水分量が非常に少ないため腐らないと言われています。そのため数年に渡る長期保存が可能ではありますが、風味を損ねず美味しく食べられる期限として2~3年くらいに設定されている場合が多いです。
開封後のはちみつは?
開封した後も、はちみつは理論上では腐らないものではありますが、人が食べるために手で触れるものですので、知らず知らずに雑菌などが混入することも考えられます。
瓶に入っているはちみつは、いつも清潔で乾いたスプーンを使い、保存場所は湿度が低く、近くに匂いの強いものを置かないようにして、なるべく早めに使い切るのが無難です。賞味期限に関わらず、開封後から1年以内には食べきりましょう。
未開封のはちみつは?
未開封のはちみつなら賞味期限切れでも食べられるのでは?と思いますよね。
その通りです。ですが食品である以上、やはり風味や栄養成分は多少なりとも衰えていくものですから、せっかくのはちみつ、一番美味しく栄養満点なメーカー推奨の賞味期限内に頂くのが良いですね。
はちみつの使い方、食べ方としては、紅茶やコーヒー、または温かい牛乳に入れてホットミルクはちみつにしたり、生姜をはちみつに漬けたはちみつ生姜、はちみつ大根にはちみつレモンと意外といろんなものがはちみつで作れます。
また、はちみつパックとして肌や唇の保湿に使うのもいいですし、寝る前に食べても虫歯になりにくいそうですので、喉が痛いときなどは少しなめて寝るのもいいかもしれませんね。
他にも、口内炎の患部にはちみつを塗るのも効果があるそうで、使い道は様々、健康維持に毎日摂取するのもいいですね。
はちみつが残っていたらはちみつレモンを作ってみるのはどうですか?作り方は簡単でおすすめです。
⇒ レモンの保存は冷凍も、はちみつレモンや塩レモンで保存もおすすめ!
はちみつは赤ちゃん、妊婦さんは食べちゃダメ?
ちなみに、はちみつは1歳未満の乳児は食べてはいけないとされています。その訳ははちみつが「ボツリヌス菌」を含んでいる可能性があるからです。
少量のボツリヌス菌は大人であれば問題はないのですが、消化器官が未熟な赤ちゃんが摂取してしまうと呼吸困難やマヒなど重篤な症状を起こしてしまう乳児ボツリヌス症を引き起こす可能性があるのです。
では、赤ちゃんがお腹にいる妊婦さんや、赤ちゃんに母乳をあげている授乳中のお母さんも控えたほうが良いのでしょうか。
これはどちらも問題ありません。ボツリヌス菌は分子が大きく血液中にまでは入り込めませんので母乳を介して赤ちゃんに与えられることはありませんし、また大人の腸内では生き残ることができませんので胎児にまで影響を及ぼすことはないとされています。
妊娠中でも栄養豊富で健康にもいいはちみつ、安心して食べて下さいね。
まとめ
はちみつは腐らないと聞いてホッと安心しましたね。ですが、そのまま戸棚で忘れ去ってしまってはもったいない!おいしく栄養がたっぷりなうちに食べきって下さいね。
うっかり忘れていたはちみつを発見した場合には、レモン漬けやカレーの隠し味、ケーキを焼くときの砂糖の代わりなんかに使って消費するのもいいですね。