薬味の代表とも言えるわさび。子どもの頃は食べられなくて、お寿司もわさびぬきで食べていたのに、気付いたらいつの間にか大好きになっていた!なんて言う方も多いのではないでしょうか。
ところで、わさびと言えば、何となく体にいいという認識をお持ちだとは思いますが、具体的にはどの様な効果・効能また、栄養があるのでしょうか?
生のわさびではなくチューブ入りのものだと効果も変わるのでしょうか。今回はわさびの持つ栄養や効果効能、またおすすめの食べ方についてご紹介します。
わさびとは?
わさびと聞くと、チューブ入りのものやお刺身などについている小さい袋に入っているわさびを連想しますよね。
実はワサビには、本わさびと西洋わさびとがあります。
チューブ入りのわさびは?
今となってはとっても便利なチューブ入りのわさび、ほとんどのご家庭にあるのではないでしょうか?
実はチューブ入りのわさびの主な原料は、日本のわさびの場合もありますが、「西洋わさび」、別名「ホースラディッシュ」と呼ばれる東ヨーロッパ原産のものが多いです。
日本のわさびと同じように鼻にツンとくる香りがあり、西洋料理の世界では「レフォール」とも呼ばれています。
収穫時期は11月~12月にかけて行われ、日本では主に北海道で栽培されており、流通の際には「山わさび」や、すりろすと大根の様に白いことから「わさび大根」とも呼ばれています。
本わさびとは味も風味も異なりますが、加工がしやすく安価なため、チューブわさびや粉末のわさびの原料に使われることが多いです。
チューブのワサビも意外と非常に辛くて、時々量を間違っておそばなどに多めに入れてしまうと、鼻にツーンときて、大変なことになってしまうこともありますよね。
日本のわさび、本わさびとは?
それに対して日本原産のわさびは、西洋わさびと区別するために「本わさび」と呼ばれています。本わさびの中でも栽培方法によって「水わさび」と「畑わさび」に分類されます。
主な産地は、長野県安曇野市や静岡県の静岡市や西伊豆が有名です。
子供のころ、初夏に長野県の安曇野のわさび農場に連れて行ってもらったことがありますが、水の澄んだとてもきれいな湧き水で栽培されていたことを記憶しています。
*参考サイト 信州安曇野のワサビ農園
ちなみに「本わさび」は本来、わさびの「根茎」と呼ばれる太い部分の事を指すのですが、チューブわさびに「本わさび」と表示されていますが、国産の本わさびは高値なため、それ以外の根や茎を上手く使って作られているそうです。
その本わさびは年中出回っていますが、辛みと風味が増すのは晩秋~冬の頃なので、この頃が旬と言えます。
ちなみに色は、よく目にするチューブのわさびは黄緑のちょっと濃いめのような色ですが、本わさびはと言うと、ほとんど色がないきれいなうすい黄緑色のような色をしています。
本わさびはチューブのワサビに比べると、お上品というか、鼻に来るツンとした感じも緩やかです。
わさびの栄養と効能は?
わさびには食物繊維やカルシウム、数種類のビタミン類など、豊富な栄養素が含まれているのですが、使用料が少量であるため、栄養価よりも辛味成分の薬効の方が大きい事が特徴です。
わさびの辛味成分、アリルイソチオシアネートには強い抗菌・抗カビ作用があります。例えば、大腸菌やサルモネラ菌、また、0-157と言った毒の強い食中毒の原因にもなる菌の増殖をも防ぐほどの殺菌力の効果もあるとされています。
他にも、独特の刺激的な香りによる殺菌作用だけでなく、魚の生臭さも軽減し、食欲増進と消化促進の作用もあります。
また、スルフィニルという成分には強い抗酸化力があり、抗がん作用、血流改善作用、抗炎症作用があると言われ、グルコシノレートという成分には、解毒機能を強化し、発がん性物質を体外に排出する働きがあります。
総じて、体の中や食品など、あらゆるものをきれいに保つというイメージですね。
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わさびの効果は?
では、わさびの効果効用にはどのようなものがあるのか見てみましょう。
食中毒を防ぐ
辛み成分、アリルイソチオシアネートは、特に生魚との組み合わせでは、食中毒を防ぐ効果があるとされています。そのため、お寿司やお刺身にわさびが使われているんですね。
冷えの改善
スルフィニルによる血流改善作用により、末端の血流が良くなるため冷えを改善する効果があります。冷えに悩む女性が多いので、特に女性にはうれしい効果ですね。
花粉症軽減効果
抗炎症作用により、花粉症を軽減する効果があると考えられています。花粉症でお悩みの方は、少しでも摂取することを心がけてみるのもいいですね。
美肌効果
高い抗酸化力や、血液をさらさらにする事により、シミやシワの原因を取り除き肌を内側からきれいにしてくれます。
癌の予防・抑制効果
グルコシノレートは、解毒機能を強化し、発がん性物質を体外に排出する働きを持ちますし、アリルイソチオシアネートにもがん予防の効果があります。わさびの持つがんの予防・抑制効果は、海外でも注目されています。
デトックス効果
わさびには、体内に溜まった有害物質の解毒を促し、体外へと排出させる効果があるので、毒素だけでなく老廃物の排出にも役立ちます。
チューブのわさびの効果は?
これまで、わさびの優れた効能・効果をご紹介してきましたが、これは本わさびの持つ効能・効果で、残念ながら、西洋わさびには同じ効果は期待できません。
チューブ入りわさびには、本わさびのみで製造されたものもあれば、本わさび以外に西洋わさびなどを含んで製造されたものもあるため、それらを原料としているチューブわさびでは、生のわさびほどの効果は残念ながら期待できないかもしれません。
生の本わさびは少し高価ではありますが、特に旬の時期は市場に出る量も他の時期に比べると多いので、少しは値段も下がると思われるので、その季節には本わさびを使用するのがよさそうですね。
効果的なわさびの摂り方、食べ方は?
子供のころは、わさびは避けて鉄火巻きも「さび抜きで!」なんて注文していたお寿司ですが、いつの間にかないと物足りない、なくてはならない存在になっていたりするわさび。
そんなわさびを好きな人も嫌いな人も、わさびの効果を期待するためには、すりおろした本わさびを、1日3g(ティースプーン1杯程度)摂取すると良いと言われています。といっても、なかなかそのまま摂取するのは難しいですよね。
わさびの使い方で、一般的に思い浮かぶのは次のようなお料理や食べ方ですね。
○ お刺身やお寿司
○ ひつまぶし
○ お蕎麦
○ お茶漬け
変わり種で、最近ではわさびアイスなどもありますが、薬味として使うのはもちろん、ドレッシングに混ぜて、自家製のわさびドレッシングを作ってサラダに使ったりするのもおすすめです。
また、マヨネーズとわさびを1対1で混ぜ、醤油を少々垂らして味を整えたわさびソースとして、アボカドを和えたり、お肉料理、ステーキやローストビーフなどにかけても美味しく食べれますね。わさび醤油はお刺身やお肉など意外となんにでもあう便利な調味料ですね。
わさびの保存方法は?
生の本わさびの保存方法はいくつかあります。根茎のままのものは、一旦わさびをぬらして、キッチンペーパーで包んでビニール袋に入れて保存します。また、カップなどの容器に根がつかるほどの水を入れて、毎日水を取り替えて保存します。どちらも1ヶ月は保存が可能です。
また、冷凍保存も可能で、しっかりとラップで包んでさらにフリーザーバックなどに入れて保存すると半年ほど保存が可能ですよ。
ちなみにすりおろしたものは、風味が落ちるのが早いので冷蔵庫での保存は不向きです。冷凍庫で保存するのであれば、使い切る分ごとラップでしっかり包んで保存すると1ヶ月ほどは保存が可能です。
しょうがも保存を上手にすると長持ちしますよ。生姜の保存方法はこちらをご覧ください。
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まとめ
今回はわさびの効果効能について、ご紹介しましたが、生ものの殺菌効果だけでなく、美容にも嬉しい健康効果がたくさん詰まったわさび。アレンジ次第で毎日の食事にも手軽に取り入れることが出来そうですね。
また、わさびは一度にたくさん食べるより、数回に分けて食べ続ける方が効果的だとも言われています。今まではチューブ入りわさびしか使ったことがないという方も、この機会に旬の季節にはちょっと贅沢に生のわさびを取り入れた食事にしてみてはいかがでしょうか。
毎日食べるのは難しいかもしれませんが、もし生のわさびが手に入るようであれば、ぜひ積極的に使用してみてくださいね。