おつまみと言えば枝豆!と言う方、多いのではないでしょうか。最近では枝豆の冷凍食品もあり、しかも安いので食卓に出すのも簡単で、手軽につまめてとっても便利ですね。
小さな子供からお年寄りまで安心して食べられ、そして好まれる枝豆。そんな枝豆が体にいいとはよく耳にしますが、どのようにいいのでしょうか?
今回は、枝豆に含まれるビタミンやイソフラボンなどの栄養とその効果効能、黒豆との違い、冷凍すると栄養は変わるの?食べすぎに関する注意点などについてご紹介します。
枝豆の栄養とその効果は?
意外とご存知ない方も多いようですが、枝豆は大豆と同じ植物です。大豆が熟成する前に収穫したものを枝豆と呼びます。
面白いことに、植物分類学上、大豆は豆類ですが、枝豆は野菜類に分類されています。枝豆は豆と野菜の両方を兼ね備えた食材なのです。
主な栄養素として、枝豆にはたんぱく質、脂質、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、β-カロテン(ビタミンA)などのビタミン類、カルシウム、マグネシウム、カリウム、葉酸、鉄分、食物繊維など、実に豊富な栄養素が含まれています。
枝豆の栄養は、大豆には含まれていないビタミンAやビタミンCを含んでいたり、野菜には少ないビタミンB1やビタミンB2を多く含んでいることが特徴的です。
では、枝豆には具体的にどのような効果があるのか見ていきましょう。
✅ 飲み過ぎ、二日酔いを防止
枝豆のたんぱく質にはアミノ酸の一種である「メチオニン」が含まれています。メチオニンは特にカツオやハマチなど魚介類に豊富に含まれているのですが、何と枝豆にも含まれています。
メチオニンにはビタミンB1、ビタミンCと共にアルコールの分解を促してくれる働きがあります。
枝豆にはビタミンB1もビタミンCも含まれていますから、「おつまみに枝豆」はただお酒に合うから、美味しいからだけでなく、合理的な理由があったんですね!
また、「だだちゃ豆」と言う枝豆を見たことはありませんか?山形県鶴岡市で生産されるものなのですが、だだちゃ豆には何とオルニチンが含まれているのです。
オルニチンはしじみやあさりなどに含まれ、肝臓の働きを助けてくれます。おつまみには普通の枝豆でもいいのですが、だだちゃ豆にするとよりいっそう飲み過ぎや二日酔い防止効果を得ることができるのでおすすめです。
旬の枝豆は最高ですよね!枝豆のおいしい茹で方はこちらをご覧ください。
⇒ 枝豆の茹で方枝豆の茹で方、ゆで時間は?おいしく茹でるコツを知って枝豆を味わおう!
✅ 疲労回復
枝豆はビタミンB1、ビタミンB2を他の野菜類に比べて豊富に含んでいます。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変換する際に必要とされる成分で、不足すると糖質を分解できなくなり、乳酸など疲労物質が溜まり、疲れやすくなってしまいます。
ビタミンB2は脂質の代謝を促進したり、有害な過酸化脂質を分解したりします。
これらの働きによって、糖質や脂質のエネルギー代謝を助けて疲労回復の促進をしてくれるのです。
✅ むくみ改善、夏バテに良い
枝豆にはカリウムが豊富に含まれています。カリウムはナトリウムと共に体内の浸透圧を調整し、余分な塩分や水分を体外に排出する働きがあり、むくみ改善に役立ちます。
普段の食事で、カリウムが欠乏することはあまりないのですが、夏場に大量の汗をかくと汗と共にカリウムが失われ低カリウム血症となり、これが夏バテの原因と言われています。夏バテになると脱力感や食欲不振といった症状が現れます。
枝豆はカリウムを豊富に含んでいる上に栄養価も高いので、夏バテの予防・回復食に効果的な食材とされているのです。
✅ 便秘解消、ダイエットにも
枝豆にはなんとキャベツの2.5倍の食物繊維が含まれています。
枝豆の食物繊維は、不溶性食物繊維の割合いが多いので、便のかさを増やしたり、腸のぜん動運動を促進させたり、腸内の老廃物を絡めとって排出する働きをしてくれます。
また、枝豆にはマグネシウムが含まれており、マグネシウムは腸に水分を引き寄せ便を柔らかくする働きがあるので、より便秘解消効果が期待できると言えます。
さらに、枝豆にも大豆と同じ大豆サポニンや大豆レシチンが含まれています。これらは、体内での脂質代謝を促進し、余分なコレステロールが血管壁に付着するのを防いだり、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす働きがあります。
便秘を解消して余分なものを排出したり、脂質代謝を促進して脂肪の増加を抑制してくれるので、枝豆はダイエットのサポートもしてくれます。
✅ 貧血、女性特有の不調に良い
枝豆は、100g当たり2.7mgの鉄分と、320mcgの葉酸を含んでおり、これらの含有量は大豆よりも上です。
鉄分は血液の中で赤血球のヘモグロビンの成分になり、酸素を運搬する働きがあります。
枝豆に含まれる鉄分は非ヘム鉄で体に吸収されにくいとされていますが、枝豆には非ヘム鉄の吸収を助けるビタミンCも含まれているので、効率的に鉄分を摂取できると言えます。
また、枝豆に含まれている葉酸の量は、葉酸を多く含むとされている苺よりも多く、食べ物の中でもほぼトップなのです。葉酸は赤血球や細胞の新生に必要です。
他にも、胎児の正常な発育には不可欠で、妊娠中・授乳中には特に必要とされています。こういったことから、枝豆は妊娠中・授乳中の女性にも積極的に食べてほしい野菜です。
枝豆には、他にも大豆同様イソフラボンも含まれています。
イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと同じ働きをする性質があり、更年期障害や生理痛など女性特有の不調を緩和したり、骨粗鬆症を抑制する効果があります。
また、乳ガンを防いだり、バストアップや美肌、美しい髪を保つ効果も期待できます。
イソフラボンは過剰摂取すると乳ガンのリスクが高まったり、体調不良になったりと、逆効果になる恐れがありますが、枝豆に含まれるイソフラボン量は100g当たり30mg程度と少な目なので、枝豆だけでイソフラボンが過剰摂取になる心配は低いと思われます。
こういったことから、枝豆は特に女性におすすめですね。
黒豆の枝豆との栄養とは異なる?
黒豆も枝豆も実は品種は同じです。
大豆を作る段階で、未熟な状態のうちに収穫したものが枝豆ですが、枝豆には緑と黒の2種類あり、この黒い枝豆を乾燥するまで置いて収穫したものを黒豆と言います。
枝豆の栄養は先程述べたように、豆と野菜の両方を兼ね備えており、大豆にはないビタミンAやビタミンCを含んでいます。
黒豆の栄養は大豆とほぼ同じですが、黒色はポリフェノールの一種であるアントシアニンによるもので、目の血流改善ができ、眼精疲労の改善・疲れ目・視力回復などに効果があります。
枝豆は冷凍すると効果はどうなる?
枝豆は冷凍コーナーでも販売していますが、食べたことはありますか?解凍するだけで食べられるのでとても便利ですが、生で買ってきた枝豆と、冷凍の枝豆は、多少ビタミンなどの減少はあるものの、栄養価では大きく違いはありません。
しかしこれはスーパーで売っているような、しっかりした冷凍設備で旬なまま冷凍されたものと比較した時と考えてください。
家庭で買ってきたものを冷凍保存するのは、買ってきた時点の鮮度により栄養価の劣化も十分ありえます。
枝豆は生でも冷凍できるのをご存知ですか?おいしい枝豆が手に入ったらぜひ!枝豆の保存方法はこちらをご覧ください。
⇒ 枝豆の冷凍保存方法は?冷蔵庫や常温での保存は?茹でてからも保存できる?
食べ過ぎなど注意する点は?
枝豆は手軽で美味しいのでついつい手が伸びてしまいますよね。
ビールと枝豆はとても相性が良いですが、どちらも尿酸値を上げてしまうプリン体が多く含まれています。美味しいし、飲み過ぎ・二日酔いに良いからといって食べ過ぎると痛風になってしまう恐れがあります。
枝豆には食物繊維が多く含まれているので、食べ過ぎると消化不良を起こしたり、下痢になったりすることもあります。
ダイエットをサポートしてくれる枝豆ですが、枝豆自体は100g当たり135Kcalとそこまでヘルシーではないので、知らないうちにカロリーオーバーになっていた!なんてこともありえます。
また、イソフラボン量も枝豆だけでは問題ありませんが、組み合わせによっては過剰摂取になる恐れもあります。
これらのことを考えて、1日に食べる枝豆量は150~200g程度にしましょう。
枝豆自体に塩分が含まれているわけではありませんが、茹でる際にたっぷりの塩をかけるのが好きな方も多いと思います。それが原因で塩分過多になる恐れもありますので、塩のかけすぎにも注意しましょう。
おすすめ、効果的な食べ方は?
枝豆はクセもなく、緑色が鮮やかなので様々な料理に取り入れることで栄養価もアップし、見た目も彩り豊かになりますよね。
枝豆を取り入れる際はカロリーがアップしますので、ご飯やお肉は少し減らしてくださいね。
中には、枝豆を間食代わりに食べることでダイエットに成功したと言う方も多い様です。おやつを枝豆に変えるだけですが、栄養もとれてヘルシーですし、3食の食事は我慢しなくていいので、比較的楽にできるかもしれませんね。
まとめ
今回は枝豆の栄養やその効果効能や黒豆、冷凍した時の比較、それに食べすぎの注意点などについて、ご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
手軽で美味しくて、しかも冷凍のものでも栄養価が高い枝豆。家の冷凍庫に1袋眠らせておけば、何か足りない!と言うときにさっと出して足せるのでとっても便利です。
茹でるだけでなく、揚げたり焼いたりしても美味しいのですし、栄養もたっぷりなので色々な料理の彩りに足してみてくださいね。