梅干しは、一度に食べられる量ってせいぜい1~2粒くらいで、そんなに大量に食べれるものではありませんよね。
毎日食べるものでもないため、頂いたは良いものの、どうしても食べきれないと悩んでしまったりすることもあります。そうなると気になるのが梅干しの賞味期限です。
今回はそんな手作りや市販の梅干しの賞味期限や未開封や開封済みの賞味期限切れの梅干しはいつまで食べれるのか?といった疑問、自家製の梅干しの作り方について調べてみました。
市販や自家製手作りの梅干しの賞味期限は違う?
おばあちゃんが漬けた梅干しを食べてみてそのしょっぱさにびっくりした、という経験ありませんか?売っている梅干しは「酸っぱい」けど、自家製の梅干しってものすごく「しょっぱい」んですよね。
どうしてかというといわゆる古くから作られている梅干しは、調味料は塩だけで作られており、塩分濃度も20%以上と、とても塩気が強いんです。
市販のものは塩以外にもはちみつやカツオ、酢などなど色々加えて作られています。塩分を気にする人も増えていて昔ながらの塩分の強い梅干しは避けられていること、また伝統製法では時間と手間が非常にかかってしまうことなどが理由のようです。
そんな梅干しは保存食のイメージで、なかなか腐ったりしない気がしますよね。
実際、昔ながらの製法で作られた梅干しというのは賞味期限がないとされており、古くは室町時代に漬けられた梅干しも現存すると言われています。ただ、室町時代に漬けられた梅干しは貴重なもののため、味を知る人は居ないというのがなんとも残念です。
それもそのはず、食べてしまうとその存在はなくなってしまいますからね。
ところで、最近スーパーで売られている梅干しは、厳密にいうと「調味梅干し」というものになります。
伝統製法の梅干しは塩漬けして水分を出した梅を天日干しにしたあと、また漬け液に戻すという方法で作るのが梅干しで、必要な材料は梅の実、塩、赤紫蘇といったシンプルさです。
一方で、調味梅干しは塩漬けにして干した梅を水に漬けて塩分を抜き、調味液に漬け込んで作られています。
昔ながらの梅干しは塩分が20%とかなり塩気が強いのに反し、現在流通しているものは塩分濃度が8~10%ほどの口当たりがマイルドなものが多くなってきています。
そのため、梅干しと調味梅干しでは賞味期限も大きく異なります。
賞味期限がないとされている自家製梅干しに反して、調味梅干しは塩分濃度や条件などによっても異なりますが、大体3~6ヶ月程、塩分濃度の高いものでも1年位までとなっています。保存環境も梅干しは常温保存が可能ですが、調味梅干しは冷蔵庫での保存が必要です。
梅干しの賞味期限切れ、未開封は?
店頭で販売されている市販の梅干し、うっかり忘れていて賞味期限を過ぎてしまったという場合には、その梅干しはもう食べることができないのでしょうか?
賞味期限とは美味しさを保証する期限ですので1日、2日、1週間ほど過ぎたくらいなら食べても問題無い場合がほとんどです。
梅干しは元々が保存食ですから、梅干しの様子をよく見てカビなどが発生していない、きちんと冷蔵庫で保存していたもので未開封であれば1ヶ月や2ヶ月~3ヶ月くらいならおそらく大丈夫です。
中には、1年くらいなら食べちゃうよと言う意見も見られました。ただし、メーカーの保証するものではないので、あくまで自己責任ということにはなってしまいます。
減塩タイプやはちみつ漬けの梅干しは?
また、最近の健康ブームに乗っかって「減塩タイプ」や甘めの「はちみつ梅」なども多く出回っていますよね。
子供やお年寄りだと減塩タイプの方が安心して食べやすいのでそれらを選ぶ方も多いかと思いますが、塩分濃度が10%を下回るような場合には保存食とは言えませんので、特に減塩やはちみつ漬けの梅干しはせめて1~2週間ほどまで、なるべく早く食べるようにし、大幅に賞味期限を過ぎてしまっているものは口にしないほうがよさそうです。
梅干しの賞味期限切れ、開封後は?
では、開封済みの梅干しは賞味期限が切れてしまった後も食べることが出来るのでしょうか?
未開封のものに比べて乾燥や、空気や雑菌に接する機会のある開封品は未開封のものよりも慎重になる必要があります。もともとはちみつ漬けなどの賞味期限が短い場合は要注意です。
保存状態がよければ、1~2週間なら賞味期限を過ぎても大丈夫そうですが、少しでも見た目や臭いでおかしいと思ったら、体調を崩してもいけないので食べるのは残念ですが諦めましょう。
特に減塩やはちみつ漬けは、もともと賞味期限も短いのでできるだけ賞味期限内に食べきるようにしましょう。
自家製手作り梅干しの漬け方
せっかくの梅の時期なら、ご家庭で昔ながらのしょっぱい梅干しを作るのはいかがですか?手作りは、格別でおいしいこと間違いなしです。
自家製梅干しの作り方
1⃣ 使う容器や道具類は、できるだけ使う直前に焼酎で消毒をして、乾燥させておきます。
2⃣ 梅2kgは水で洗い、清潔なふきんで水気を拭き取ります。梅のヘタは爪楊枝で取ります。
3⃣ 漬ける容器にビニール袋をかぶせ、梅2kgと塩360~400gを交互に層になるよう入れて、落とし蓋をし、梅の実と同じくらいの重さの重石を乗せます。3~5日くらいすると梅の実が隠れるほど梅酢が上がってくるので、そうしたら重石を半分にします。
4⃣ 1ヶ月ほど経ち梅雨が開けたら晴れの日を選んで、梅を4日間ほど天日干しをします。1日、一回は梅を裏返します。
5⃣ 再び、煮沸消毒した陶器かガラスの保存容器で保存して完成です。
天日干しにする作業がありますが、それほど手間はかからないですので、是非、梅が旬の季節には手作りしてみてください。
まとめ
伝統的な製法で作られた自家製梅干しは、賞味期限がないことがわかりましたね。室町時代のころの梅干しがいまだにあるというのも驚きです。数百年も前の梅干し、貴重すぎて口にすることもできないですが、気になりますね。
減塩が重視されている昨今ですが、近頃では塩だけで作られた梅干しのバニリンという栄養素がダイエット効果があるとして注目されていたりしています。
作ってみたいと思っても、なかなかチャンスがないという方も、この機会に梅の時期にはご家庭でぜひ漬けてみてください。