5月のゴールデンウィークの時期は、絶好の潮干狩りシーズンですね。
毎年、多くの人々が最寄の潮干狩り会場へと向かい、酒蒸しやお吸い物、パエリアにパスタ、クラムチャウダーなどを頭に思い浮かべながら、一生懸命あさりを探していることかと思います。
そんなあさりは砂抜きを行わないとジャリジャリとした嫌な食感が残ってしまい、とても食べられたものではありません。
しかも、あさりの砂抜きは、ただあさりを水に浸せばよいという簡単なものではないため、失敗してしまう人も多いようです。
そこで、今回は正しいあさりの砂抜き方法、砂抜きの時間や短時間でする方法などについてご紹介します。
あさりの砂抜きはなぜ必要?
潮干狩りで獲ったあさりはもちろん、スーパーで購入したあさりは砂なしともいわれていますが、調理前には砂抜きするのをおすすめします。
あさりは、入水管という管から海水と共にエサを吸い込むのですが、そのとき砂も同時に吸い込んでしまいます。
また、あさりは出水管から体内の老廃物などと共に砂の排出も行っているので、新しい砂と古い砂が出入りしていることになります。
砂抜きとは、あさりがエサを食べる際に吸い込んでしまった砂を吐き出させ、調理した際のジャリジャリ感を防ぐために必要な下処理になります。
砂は少しなら食べれるし、害もないのですが、食感が悪いですよね。もし、砂抜きを行わずに調理してしまうと、口の中はあさりの吸い込んだ砂だらけになってしまい、ジャリジャリと嫌な食感が食事中延々と続き、食べ終わった頃にはあさりが大嫌いになっている、なんてことにもなりかねません。
あさりの砂抜きは、あさり料理をおいしく食べるためには欠かせない下ごしらえなので、面倒ですが行ったほうがいいんですね。ちなみに大あさりも基本的に同じように砂抜きをします。
あさりの砂抜きの方法、冷蔵庫でする?時間はどれくらい?
あさりの砂抜きは冷蔵庫で行うという方もいますが、あさりは水温20℃~25℃の環境で生活している貝類です。なので、25℃以上の水温では生きられず、20℃以下の水温では休眠に入ってしまう恐れがあります。ですので、夏以外は常温で大丈夫です。
また、あさりは海の生き物ですので、砂抜きを行う際は真水ではなく、海水と同等の塩分濃度を持つ食塩水を準備します。
砂抜きに最も適した水は、次の通りです。
*水 500ml
*塩 大さじ1/15g
水の準備ができたら砂抜きを行います。砂抜きの仕方は、
1⃣ あさりを洗うのですが洗い方は、あさり同士をやさしくこするようにぬめりを取りながら洗います。
2⃣ ボウルにあさりを入れ、あさりがひたひたに浸かるくらいに準備した塩水を注ぎます。
3⃣ 新聞紙をかぶせて暗くして置いておくと、あさりが砂を吐きます。
砂抜きをする時間はスーパーで買ったものは大体2~3時間、潮干狩りで獲ったものは一晩が目安です。また、水はたくさん入れすぎないように注意してください。
潮干狩りであさりを獲った場合は空のペットボトル、もしくはポリタンクに海水を入れて持って帰るのが手っ取り早いですね。
スーパーで買ってきたあさりをその日のうちに調理して食べることがありますが、30分くらいしか砂抜きできなくても、十分砂抜きができていることがあります。ですので、時間がなくても砂出しはしないよりはしたほうがいいですね。
ちなみに包丁を入れるとあさりが砂を吐くというようなことも言われていますが、これはどうやら迷信のようです。
50度洗い、あさりの砂抜き方法は?
砂抜きはしたいけど、時間がない!そんな時は時短でできるんです。
砂出しの仕方は、
1⃣ 水道水でお湯を沸かし43度~50度のお湯を作ります。
2⃣ ボウルに洗ったあさりを入れ、お湯を注いだら5分間つけて、すばやくザルにあげます。
これで、砂抜きが完了です。この方法で失敗したという声も多いようですが、時間を長くしたり、お湯の温度が50度以上になるとあさりが死んでしまうので気を付けましょう。簡単に短時間であっという間にできるので便利ですね。
砂抜きの処理が終わったら、いろんな調理法で食べる準備ができました。あさりは日持ちしないので、すぐに食べられないときは新鮮なうちに冷凍庫で保管するのもおすすめです。
砂抜きを失敗しないためには?
あさりの砂抜きで意外とやってしまいがちな失敗が2つあるので、ご紹介します。
それは、「あさりを重ねて砂抜きをする」と「明るい場所で砂抜きをする」です。
まず、あさりを重ねた状態で砂抜きを行った場合、上のあさりが吐き出した砂を下のあさりが吸い込んでしまうため、きちんと砂抜きを行うことが出来ません。
あさりの砂抜きを行うときは食器用水切りカゴなどを使ってあさりが重ならないように並べ、吐き出した砂を他のあさりが吸い込まないように対策を取る必要があります。
次に明るい場所で砂抜きを行った場合、海中の砂の中で生活しているあさりは夜行性の貝類ですので、明るい場所では動作が鈍ってしまいます。
暗い場所で砂抜きを行うことができれば良いのですが、そのような場所はなかなかありません。ですので、新聞紙やアルミホイルをふわりとかけ、直射日光の当たらない涼しい場所に保管して砂抜きを行いましょう。
上手に砂抜きさえできれば安心して、お吸い物や澄まし汁、いろんなお料理に使えますね。ちなみに、前日から砂抜きをして翌日に味噌汁にしてももちろん食べられます。また、あさりを煮るときは水から煮ますよ。
死ぬとあさりは開かないのは本当?
お味噌汁など作ったときにあさりが開かないのは死んでいるからと言われていますが、本当なのでしょうか?
正常な生きてるあさりは煮たり焼いたときにご存知の通り、口が開きます。また、口の開いてるあさりや半開きのあさりなど、ちょっと怪しいあさりも、加熱して口が開いたものは食べることができます。
死んでるあさりは加熱しても口が開かないので、すぐにわかりますね。ということで死ぬとあさりは口を開かないんです。
潮干狩りをして帰ってくる道中に死んだあさりは、その日であれば食べれるのですが、時間とともに腐るので、口にするのはやめたほうがいいですね。
ちなみに、あさりの鮮度の見分け方は口の閉じ具合や音で見分けることができます。あさりは死ぬと当然動かないので、水をかけたり触ったりしても口を閉じない、又は弱っていると閉じる速度が遅いです。新鮮なあさりは、もうお分かりですね。動くのがとても早く、空いてた口もすぐに閉じます。
また、あさり同士を軽く叩いたときに明るい音がすると粋のいい証拠ですが、鈍い音がすると、あさりは死んでいる、または弱っています。
まとめ
今回はあさりの砂抜きについてご紹介しましたが、あさりは低カロリーで栄養価も高く、貧血予防や疲労回復などの効果もあり、昔から重宝されている食材です。
あさりは3月から5月にかけて旬を迎えますので、正しい砂抜き方法をマスターし、家族や恋人、お友だちに美味しいあさり料理を振る舞い、楽しい時間を過ごしてみてはいかがでしょう?