モロヘイヤには毒がある?花・茎・若葉のどの部分?どんな症状?

 

和洋折衷様々な料理の具材として活躍しているモロヘイヤは、7月から9月に旬を迎える夏野菜のひとつです。

 

今ではホウレンソウや小松菜と並んでスーパーでもよく見かけるようになりましたね。

 

そんなモロヘイヤ、最近知ったのですが、なんと“毒”があるといううわさがあるのです!

 

そこで、今回はモロヘイヤには毒があるという噂の真実と、花・茎・若葉のどの部分に毒が含まれるのか、食べたらどんな症状が現れるのかをまとめてみました。

 

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モロヘイヤの栄養は?

 

モロヘイヤは、中近東原産の緑黄色野菜であり、絶世の美女と称されるクレオパトラも好んで食べていたと言われており、なんと今から5000年以上前から栽培が行われていたと言います。

 

モロヘイヤは、ほうれん草や小松菜と比べて栄養価が高いにも関わらず、価格は比較的安いので、とっても家計に優しい葉物野菜としても知られています。

 

わが家でも、夏になると大量のモロヘイヤを買ってきては、お味噌汁や玉子焼きに加えたり、納豆やオクラと混ぜ合わせて夏バテで食欲が無くてもペロリと食べられるネバネバ丼にして食べています。

 

そんなモロヘイヤは緑黄色野菜でもトップクラスの栄養価を誇っており、特に次の栄養素の含有量は非常に高く、100g摂取すると、成人男性が1日に必要なビタミンEを補うことができます。

 

 βカロテン

✔ 葉酸

✔ ビタミンC

✔ ビタミンE

✔ ビタミンK

 

 

他にも、

✔ カルシウム

✔ カリウム

✔ 鉄

✔ 食物繊維

などの栄養素も葉菜・根菜・果菜よりも含有量が高いので、健康と美容維持にはもってこいの食材と言えるでしょう。

 

これらのモロヘイヤの栄養成分は

・動脈硬化や高血圧、糖尿病などの生活習慣病の予防

・骨粗鬆症の予防

・貧血予防

・胃の健康を保つ効果

・便秘解消

・美肌効果

・免疫力を高める

・目の健康を保つ 

 

など様々な効果や効能を持っており、そのずば抜けた栄養価と優れた健康&美容パワーが期待できることから、日本に導入された直後から注目を集め、今では夏の定番食材として活躍しています。

 

これほどいろんな効果があって、しかもお手頃となると食べないわけにはいかないですね!

 

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モロヘイヤには毒があるって本当?

 

中近東原産のモロヘイヤは、高温・乾燥地域でも栽培が可能な非常に生命力の強い植物であり、虫にも暑さにも強いことから家庭菜園でも人気の野菜となっています。

 

ですが、モロヘイヤには心臓の筋肉を収縮させる作用を持つ「ストロファンチジン」という強心配糖体を含んでおり、かつてアフリカの原住民たちはこの強心配糖体を矢毒として用いていたと言われています。

 

モロヘイヤには、カプスラリス種とオルトリウス種の2種類あるのですが、どちらの品種にも強心配糖体が含有されていることが1950年に既に報告されており、さらに高麗人参に含まれ、肥満予防や免疫力を高める効果のあるサポニンも含んでいることも報告されています。

 

ですが、強心配糖体には薬理作用があることも明らかにされており、心不全の治療薬として使用されることもあります。

 

ただし、作用が激しいため、薬用として使用できるのは一部の植物から採取されたものに限られており、モロヘイヤに含有されているストロファンチジンは致死性の有毒成分に分類されているため、使用されることはありません。

 

では、いったいどの部分に有毒な部分が含まれているのでしょうか?

 

モロヘイヤの花・茎・若葉のどの部分が危ないの?

 

致死性の有毒成分を含むモロヘイヤですが、私たちが普段食べているモロヘイヤには有毒成分は一切含まれておりません。

 

ちょっと安心しましたね!

 

では、モロヘイヤのどの部分に有毒成分が含まれているのでしょうか?

 

モロヘイヤは、葉・花・茎・種・実・根の6つに分けられるのですが、この中で最も有毒成分を含んでいるのは「種」になります。

 

先にもありましたが、アフリカの先住民たちは、完熟したモロヘイヤの種を矢毒として用いていたのです。ですので、モロヘイヤの種は猛毒ですので、絶対に食べないようにしましょう。

 

モロヘイヤは夏野菜ですので、種蒔きを4月から5月頃に済ませ、植え付けを5月から6月にかけて行います。

 

そして、6月から10月頃にかけて収穫されるのですが、秋になると日照時間が短くなり、モロヘイヤは黄色いお花を咲かせます。

 

そして、数日後には実がなるのですが、この実にも種と同じ強い毒性が含まれているので、決して食べてはいけません。

 

また、モロヘイヤの食べてはいけない場所としては次の場所が挙げられます。

✔ 食用不可のモロヘイヤの花

✔ 収穫以降の熟した茎に付いている莢(さや)

✔ 新芽が出てから収穫期を迎えるまでの若葉

 

 

ただ、内閣府では、「収穫期の葉・茎・根」と「蕾(つぼみ)発生期の葉・茎・根・蕾」からはストロファンチジンが検出されなかったと公表していますので、ご安心ください!

 

モロヘイヤには危険な部分が多いので、家庭菜園をされている場合は、葉の部分以外は出来る限り口にしないようにしましょう。

 

食べるとどんな症状がでるの?

 

万が一、モロヘイヤの実や種を食べてしまった場合、どのような症状が現れるのでしょうか。

 

食べてしまった場合、心臓のポンプ機能が低下するため、肺に血液が溜まり心不全を引き起こす場合があります。

 

また、他にも、

・動悸や息切れ

・めまい

・全身の倦怠感

・食欲不振

・嘔吐

・下痢

・呼吸困難

・尿量の減少とむくみ

 

といった症状が現れることがありますので、モロヘイヤを食べてこのような症状が現れたら、速やかに救急車を呼び、医師に診てもらいましょう。

 

まとめ

 

モロヘイヤには致死性の有毒成分が含まれており、葉の部分以外を食べるのは危険だとご説明しましたが、モロヘイヤは生長度合によって、有毒成分を含む部位が変化していく特徴があります。

 

そのため、安全に食べられる時期を知っておくことがポイントとなります。

 

また、家庭菜園でモロヘイヤを栽培するときは、収穫時期をしっかり確認して育て、葉の部分だけを食べるようにしましょう。

 

ただ、市販されているモロヘイヤは安心して食べられますので過剰に敏感にならず、せっかくの栄養満点の食材ですから、これからも多いに食卓に取り入れたいんですね。

 

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