4月~6月に旬を迎えるそら豆。スーパーにそら豆が並び出すと春を感じますよね。近所のスーパーでは1月からそら豆が並んでいたので、旬はいつだっけとちょっと混乱してしまいました。
そら豆は塩ゆでにするとホクホクとしていて甘味も感じられ、おつまみにもおやつにも最適です。
天ぷらや煮物、炒め物にしてもおいしいそら豆、いろんな調理法がありますが、今回は、そんなそら豆の栄養やその効果効能についてご紹介します。
そら豆の栄養や効果効能は?
そら豆は「若返りの野菜」と言われ、美容と健康に効果的な成分が沢山含まれています。生でも水分が少ないそら豆には、その分栄養が凝縮しています。
全体の10%以上をたんぱく質が占めている他、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、銅、亜鉛、リン、鉄、ナイアシンパント酸、ビオチン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、セレン、クロム、モリブデン、レシチンなどなど、羅列するとすごいことになりましたが、実にさまざまな栄養素を含みます。
小さい豆にこれだけの栄養素が詰まっているのは正直驚きますね。
では、そら豆を食べることによってどのような効果があるのか見ていきましょう。
疲労回復
そら豆には、糖質をエネルギーに変えるのを助ける働きがあるビタミンB1が100g当たり0.3g、亜鉛も1.4gと豊富に含まれています。
そのため、代謝を促進させ、乳酸などの疲労物質が溜まるのを防ぐので疲労回復に効果があるのです。
また、そら豆は鉄分の含有量が100g当たり2.3gと青果の中ではトップクラスです。
鉄分には、ヘモグロビンの働きを助け、酵素や栄養素を体全体に届ける働きがあります。この働きと糖代謝促進の働きの相乗効果で、体力増強やスタミナ持続効果も期待できます。
貧血予防
そら豆は鉄分だけでなく、赤血球の造血過程で必要とされる葉酸の含有量も、100g当たり120mcgと青果類トップクラスです。その他にも、造血に役立つ銅や亜鉛も含んでいます。
しかし、これらの非ヘム鉄(植物性鉄分)は体内への吸収・利用率が2~5%と非常に低いのです。
そら豆に含まれるビタミンCはミネラルの吸収を高める働きがあります。この働きによって、非ヘム鉄を効率良く補うことが出来ます。
特に妊娠中、授乳中の方には積極的に取ることをおすすめします。
むくみ、二日酔い予防
そら豆に含まれるカリウムの量は乾燥100g当たり1100mgと非常に多いです。フライビーンズ10粒程度(約15g)で106.5mgのカリウムが摂取できる計算になります。
カリウムは体内のナトリウム濃度や成分量を調節する働きがあるので、むくみ解消に役立ちます。
また、そら豆はたんぱく質を多く含みます。たんぱく質は酵素の活性化を図り、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドの分解を促進し、肝臓の働きを助けます。
それに加え、肝臓への脂質蓄積を防いだり、肝機能を高める働きがあるレシチンも含んでいます。
翌日の二日酔いやむくみ予防に、そら豆はおつまみとして最適と言えます。
生活習慣病の予防
そら豆に含まれるビタミンB2は過酸化脂質の生成を防いで血管を若く保つ働きがあり、レシチンは血中コレステロールの酸化を防ぐ働きがあります。
レシチンには余分なコレステロールが血管壁に付着することを防ぐ働きと、善玉コレステロールを増やす働きがあるので、血中のコレステロール値を正常に保ちます。
その上、血圧低下作用のあるカリウムも含みますから、そら豆には動脈硬化や高血圧などを予防することから、生活習慣病の予防効果があると言えます。
美肌維持、肌荒れ防止
そら豆には、皮膚・粘膜・髪・爪などを健康に保つ働きがあるビタミンB2やビタミンB6が含まれています。
皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)を活発にする亜鉛も含んでいますので、肌荒れの予防や改善効果が期待できます。
また、生のそら豆に含まれるビタミンCには抗酸化作用によって酸化による肌老化(シミ・しわ・たるみなど)から肌を守ってくれるため、肌のエイジングケア効果も期待できますよ!
獲れたての新鮮なそら豆は生でも食べることができます。冷凍もできるそら豆の保存方法はこちらをご覧ください。
⇒ そら豆の保存、冷凍には薄皮はどうする?冷凍庫内や乾燥する保存方法は?
そら豆の薄皮にも栄養があるの?
そら豆の皮、詳しくは薄皮ですね。あなたは皮ごと食べますか?残しますか?
出始めの時期は薄皮も柔らかいのですが、旬も終わりの頃になるにつれ、固くなって食べにくくなってきます。
ところが、「どうせ皮だし」と思って捨てていると、損をしてしまいます。というのも、そら豆の皮には食物繊維がたっぷり含まれています。
食物繊維は腸内で不要なものを絡めとり、体外へ排出する働きがあるため、便秘解消に役立ちます。
また、皮に含まれる食物繊維は水を吸って膨らむ不溶性が多いため、前菜としてそら豆を食べると、お腹の中で膨らんで満腹感が早く得られるので、食事の食べすぎを防いでくれます。ダイエットの強い味方と言えますね。
そら豆のおいしい茹で方やゆで時間はご存知ですか?
⇒ そら豆の茹で方やゆで時間は?さやごと茹でる?しわを防ぐ茹で方は?
そら豆の効果的な食べ方は?
そら豆の食べ方はさやから出して塩ゆでするのが一般的ですが、茹でると栄養分が流れ出てしまいます。ですので、本当は蒸したり挙げたりする方が栄養分が残ります。
もし、塩ゆでするなら、茹で汁をスープなどに使うとそら豆の栄養を捨てずにすみますね。
せっかくなので、そら豆の栄養を丸々摂りたい!と言う方は、是非さやごとフライパンで蒸し焼きにしたり網で焼いたりして召し上がってください。
ちょっと意外ですが、新鮮なものだと、なんとさやごとでも美味しくいただけるんですよ!
ちなみにそら豆の効果アップが期待できる食べ合わせは次の通りです。
✅ 牛乳、鶏肉、牡蠣、酢 → 体力回復、スタミナアップ
✅ トマト、玉ねぎ、ワカメ、タコ、マグロ → 高血圧、動脈硬化の予防
✅ きゅうり、瓜、南瓜 → むくみ解消、腎機能改善
✅ 白菜、山芋、紫蘇、鯛 → 胃腸を丈夫にする
茹でても蒸しても焼いても挙げても、どんな調理方法でも美味しいそら豆。是非、いろんな食材と合わせて、いろんな調理方法で楽しんでください。
ちなみにそら豆の臭いが独特で嫌だという方も多いようですが、ゆでるよりも焼いた方が臭いがそれほどしないそうですので、臭いが苦手な方は試してみてください。
そら豆の食べ方は塩茹でだけではないんです。丸ごと焼くのもおすすめです。
⇒ そら豆の食べ方、皮ごと焼くのがいい?薄皮は取って食べるの?
まとめ
今回は、そら豆の栄養や効果についてご紹介しましたが、そら豆は枝豆や大豆に比べるとスーパーで見かける頻度は少ないですよね。
ですが、今回見てもらったように、そら豆は栄養素の宝庫だと言うことがわかりました。特に、美肌にアンチエイジング、便秘解消にダイエットまで、女性には嬉しいことだらけでしたね。
健康維持が期待できるので、もちろん女性だけでなく、男性にも沢山食べてほしい、もっと食卓に並べてほしい食材です。
また、手軽にそら豆を食べたいという方には、フライビーンズ(いかり豆)がおすすめです。乾燥させたそら豆なのですが、これならおやつやおつまみとして、すぐ頂けますよ。