半分だけ余ったナスをラップをして冷蔵庫に入れていたら、茶色くなっていたり、お味噌汁に入れたらどんどんナスが茶色く・・・実はそれらはナスが持っている「あく」の仕業なんです。
え、ナスってあく抜きをするものなの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、用途や目的によってはあく抜きをしたほうが良い場合もあります。
今回はそんななすのあく抜きは必要?あくの取り方やあく抜きはどれくらいの時間するの?カレーや漬物に使うときはしない?といった疑問について調べてみました。
なすはあく抜きが必要?不要?下処理は?
ナスはあくの強い野菜ですから、切ってしばらく放置しておくとすぐに断面が酸化し、茶色く変色してきてしまいます。また旬を外れたナスはエグミを感じることもあります。エグミをとり、変色を防ぐため、そして、調理後もナスの色を美しく仕上げたい際にはあく抜きをしましょう。
ですが、切った後すぐに調理に取り掛かる場合や揚げなすなど色が気にならない場合やナスを丸ごと加熱する焼き茄子には、実はあく抜きは不要です。
また、なすは下処理として、あく抜きのほかはへたを切り落とすくらいで特別なことをする必要はありません。料理に合わせて皮をしましまにむいたり、皮に格子状の切り込みを入れたりといった皮むきをする程度です。しっぽの部分も他の部分と同じように食べられますので切り落とす必要はないんですよ。
あく抜きの方法、塩は使う?時間はどれくらい?
では、なすのあく抜きの方法をみてみましょう。あく抜きには三通りのやり方があります。
あくを取る際、なすのへたを切り落とし、切り口に残ったガクを手で取ったら、調理する大きさに切ってアク抜きをします。
✅ 水にさらしてあく抜きする方法
切ったナスを水に10分ほどさらす方法です。時間があるときには一番手間がかからずにアク取りすることができます。
✅ 塩水に浸ける灰汁の取り方
水に塩少々を入れたところに、切ったナスを5分ほどさらします。単に水に漬けるよりも時間が短く済むので急いでいるときや時短にはこちらがおすすめです。
✅ 塩を振ってあく抜きをする方法
切ったナスに塩を振って5分ほどおき、茶色い水が出てきたら拭き取ります。この方法だと、ナスがよく味を吸うようになり、油の吸収を減らし、火の通りが早くなったりするメリットがあります。
それぞれ、どの方法でもご自分のやりやすい方法を見つけてみてくださいね。ただ、レンジで灰汁抜きをする方法というのは、調べてみましたがやはりないようです。
切ったなすも保存が可能です。茄子の保存方法や賞味期限はこちらをご覧ください。
⇒ なすの保存は冷凍や切った後も長持ち!乾燥も!期間や方法は、切ったら冷凍であく抜きはいらない?
カレーや漬物にするときはあく抜きしない?
あく抜きはカレーや漬物を作るときにも必要なの?と疑問に思う方もいるかもしれません。レシピを見ているとあるレシピではあく抜きが手順に入っているけど、こちらのレシピには省略されているとなれば、あく抜きしないのかするのか混乱しますよね。
例えば、カレーにナスを入れる場合にはナスを初めから煮込むという方は少ないのではないかと思います。煮崩れを起こしやすいナスは仕上げの際に加えたり、揚げなすや油でソテーにしてから加えることが多いですよね。
揚げなすやソテーにするなど、切ってすぐに加熱するのであれば特にあく抜きは不要です。何も手を加えず煮るというのであればあく抜きをします。ですがあく抜きの目的は色を美しく仕上げることとエグミを取ることなので、カレーに入れた時には色もエグミも気にならないという方はその手順を飛ばしても大丈夫です。
また、市販の浅漬けの素などを使ってお漬物を作るときには、あく抜きをしてからのほうが色が綺麗に仕上がります。本格的に漬けるのであればミョウバンや釘に色止めの効果がありますので、特にあく抜き不要ではないかと思います。
ナスのあくは特に身体に有害なものではなく、あく抜きをする理由は、あくまでも見た目の色や風味を良くするためです。ですのでカレーや漬物に限らず、特に気にならないのであればあく抜きしないまま、調理してもいいのではないかと思います。
実際に私もあく抜きなしで炒め物や煮物などをこれまで何度も作っていますが、取り立ててエグミを感じたことはありません。ですので、必要ないかなと思ったら、あく抜きを飛ばしてもOKです。
あなたの味覚やあく抜きありなしのどちらがいいかご家族に確認してみて決めてもいいかもしれませんね。
ナスのあくの正体は?
有害なものではないと前述したナスのあくですが、では一体どのような成分なのか気になりますよね。
その正体はクロロゲン酸というポリフェノールの一種なんです。このポリフェノールには抗酸化作用があり次のような様々な効果をもたらします。
✔ 美肌効果
✔ アンチエイジング効果
✔ 動脈硬化予防
✔ ガン予防
⇒ 抗酸化作用とは?簡単にわかりやすくご紹介!活性酸素を抑えて健康な体を!
害が無いどころか嬉しい効果が目白押しです。ですので、今まであく抜きをしていなかった!という方もとりわけ心配はいりませんよ。
クロロゲン酸以外にもナスには「ナスニン」というポリフェノールの成分が含まれています。ナスに含まれるポリフェノールだからナスニンです。ちょっとかわいい名前ですね。このナスニンはブルーベリーに含まれているアントシアニン系色素のポリフェノールです。
ナスの皮の紫色の部分がこのナスニンによるもので、やはり血液をサラサラにしたり動脈硬化や生活習慣病などの予防などの効果があります。またアントシアニンと聞くと眼に良いというイメージがあるかと思いますが、まさにその通りで、ブルーベリーと同じく眼精疲労回復にも効果がある成分なんですよ。
さらに詳しいなすの栄養や効果はこちらをご覧ください。
⇒ なすの栄養、効能は皮のナスニンが重要!へたにも注目の夏バテ防止野菜!
まとめ
今回は茄子のあく抜きは必要か不要かという疑問や、そのあく抜きの方法、どのように何分かかるのか、といったことをご紹介しましたが、なすは調理法によってあく抜きをしなくてもいいということがわかりましたね。
夕飯づくりに忙しい夕方、ナスの味噌炒めを作るのに、まな板から直接フライパンにナスを投入しても大丈夫です。逆に、とにかく見た目を美しく仕上げたい時や赤ちゃんの離乳食に用いるときなんかはしっかりとあく抜きをしてから調理をすると手間を掛けた分美しく仕上がるでしょう。
あく抜きをするかしないか、水にさらすのか塩を使うのかなどなど、お料理やシチュエーションに合わせて臨機応変にあく抜きの方法を使い分けてみてくださいね。