夏になると出回る葉物野菜、つるむらさきをご存知でしょうか。見た目はほうれん草に少し似ているのですが、ほうれん草よりも茎は太く、葉は肉厚です。

 

食べると少し土の香りがするのと、ヌルヌルした食感なので苦手な人も多いかもしれませんが、その栄養価は高く、夏に不足しがちな栄養を補うには最適な野菜なのです。

 

今回は、つるむらさきの栄養と効果効能、効果的な食べ方や食べすぎについてご紹介します。

 

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つるむらさきの栄養と効果効能は?

 

つるむらさきは、100g当たり13kcalで、豊富な食物繊維ビタミン・ミネラルを含みます。

 

中でも、βカロテン(ビタミンA)・ビタミンK・葉酸・ビタミンC・カルシウム・マグネシウムを多く含んでいます。また、独特のぬめりが特徴のつるむらさきですが、その成分はムチンによるものです。

 

では、その栄養素についてどんな効果効能があるのか見てみましょう。

 

βカロテン

つるむらさきに含まれるβカロテンは、小松菜と同じくらいです。βカロテンは緑黄色野菜に多く含まれる栄養素で、体内で必要に応じてビタミンAに変換されるので、βカロテンとビタミンAの2つの働きがあります。

 

βカロテンには強い抗酸化力があり、体内に発生した老化の原因となる活性酸素を除去する働きがあり、アンチエイジングに効果的です。

 

また、は体内で活性酸素が多くの細胞の遺伝子を傷つけることがきっかけとされているのですが、活性酸素を除去してくれるβカロテンは、癌も予防してくれると言えます。

 

⇒ 抗酸化作用とは?簡単にわかりやすくご紹介!活性酸素を抑えて健康な体を!

 

一方、ビタミンA視力を正常に保つ働きがあり、夜盲症の予防視力低下を抑制する効果があります。

 

粘膜を丈夫にする働きもあり、口や鼻、のど、肺、胃、腸などの粘膜を健康に保ってくれるため、体内に病原菌やウイルスが侵入しにくくなり、風邪などの感染症を予防したり、口内炎の予防にも効果があります。

 

また、ビタミンAは皮膚の新陳代謝を高める作用があるため、かさつきやたるみを予防して皮膚の健康も維持してくれます。 

 

ビタミンK

つるむらさきに含まれるビタミンKは、野菜の中でトップ10に入るほどです。

 

ビタミンKは、血液の凝固にかかわり、出血を止める働きがあるため「止血のビタミン」と呼ばれています。

 

また、カルシウムが骨に沈着する時に必要なたんぱく質を活性させる働きと、骨からカルシウムが排出されるのを抑制する働きがあるので、骨を健康に保つ効果があります。

 

葉酸

つるむらさきには葉酸も比較的多く含まれています。葉酸は新しい赤血球を作り出すために必要なビタミンで、貧血予防に効果があります。

 

また、細胞分裂が活発である胎児の正常な発育を助ける働きもあります。

 

妊娠初期に葉酸が十分に足りていると、胎児の神経菅の発育不全のリスクを減らすことが分かっているので、妊娠を考えている女性や妊婦さんには積極的に取って欲しい栄養素です。

 

ビタミンC

つるむらさきに含まれるビタミンCほうれん草の約2倍です。

 

ビタミンCも強い抗酸化力を持っていて、老化の原因となる活性酸素の増加を抑える働きがあり、コレステロールや中性脂肪が体内で活性酸素によって参加するのを防ぐため、老化を防止するだけでなく、動脈硬化や脳卒中などの心臓血管系の病気から体を守ります。

 

ビタミンEと一緒に取るとその効果はさらにアップするのですが、つるむらさきにはビタミンE含まれています。

 

また、ビタミンCはメラニン色素の沈着の原因となる酵素の働きを阻害し、透明感のある肌を維持する効果があります。また、コラーゲンの合成を助けてシワを防いでくれるので、美肌作りには欠かせません。

 

ビタミンCは、コラーゲンの合成を助けることで細胞をしっかりと固め、病原菌を進入しにくくしたり、白血球の働きを強化したり、自らも病原菌を攻撃する働きがあります。

 

このため、免疫力を高め、風邪などの感染症にかかったとしても早く治す効果があります。

 

他にも、ビタミンCは吸収されにくい鉄の吸収を助ける働きもあるため、貧血予防にも役立ちます。

 

カルシウム

つるむらさきはカルシウムも豊富で、切干大根などの乾物を除けば、野菜類でトップ10に入ります。カルシウムは歯や骨を構成するのには欠かせない栄養素です。

 

カルシウムが不足すると、骨がスカスカになり骨粗しょう症になったり、成長期であれば骨や歯の形成障害を起こすことがあります。

 

先程、ご紹介したように、つるむらさきにはカルシウムの吸収を助けるビタミンKが豊富に含まれているので、健康な骨や歯を作るのに役立つでしょう。

 

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マグネシウム

つるむらさきに含まれるマグネシウムも、野菜類ではトップ10に入ります。

 

マグネシウムもカルシウムと深く関わりがあり、骨や歯の発育や強化に重要な役割を担っています。骨や歯にはカルシウム!とよく言われていますが、マグネシウムはあまり知られていません。

 

マグネシウムは骨に弾力を与えてしなやかな骨を維持するだけでなく、骨や歯にカルシウムが行き渡るように調整しています。

 

つまり、カルシウムを多く取れば、その分マグネシウムの摂取量も増やさなければ意味がないということなので、つるむらさきは、カルシウムを豊富に含み、ビタミンKでその吸収を助け、マグネシウムで骨や歯に行き渡らせれるようにできる、骨や歯には最適な野菜と言えます。

 

また、マグネシウムは、様々な病気を予防する効果があります。

 

まず、インスリンの働きを司る酵素を活性化する働きがあるため、血糖値の急激な上昇を抑えることで、糖尿病を予防します。

 

そして、細胞内のカルシウムやナトリウムの量を調節し、正常な血圧の維持や血液の循環を保ち、高血圧を予防します。

 

さらに、筋肉の収縮に関わるカルシウムの量を必要に応じて調節し、痙攣や震えを予防して心臓の拍動を正常に保つので、狭心症や心筋梗塞などの心疾患の予防もします。

 

ムチン

ムチンは人間の体内にも存在していて、涙、胃腸や鼻などの粘膜に多く含まれています。

 

そのためムチンは、目の潤いを保ちドライアイを防いだり、粘膜を保護して病原菌などから体を守ったり、強力な胃酸から胃を守る働きがあります。

 

また、ムチンには、たんぱく質の吸収を助ける働きもあるので、たんぱく質を効率よくエネルギーに利用することが出来、疲労回復に繋がります。

 

つるむらさきはあのねばねばが好きでよく食べていましたが、これだけの効果があるとは私自身驚きました。あなたはいかがですか?

 

つるむらさきの効果的な食べ方は?

 

つるむらさきはお浸しで良く食べられますが、ビタミンCは水溶性のため、茹でた時に水に流れてしまいます。

 

ビタミンCを無駄にしないためにも、汁ごと食べられる味噌汁煮浸しにしたり、炒め物揚げ物にすると栄養素の流出もなく食べることができますね。

 

また、βカロテンビタミンKは脂溶性で油と相性が良いので、油を使った調理の方が効率よく栄養素を摂取できるかも知れません。

 

加熱しすぎるとヌメリが出すぎて食感が悪くなってしまうので、煮るにしろ、炒めるにしろ、さっと1~2分程度で良いでしょう。

 

つるむらさきは食べすぎると?

 

つるむらさきにはほうれん草と同じ、シュウ酸が含まれています。ほうれん草を食べる前にアクをとりますが、シュウ酸はそのアクの原因です。シュウ酸は取り過ぎると結石の原因となります。

 

しかし、これは生の状態で500kg~1kg程度食べた場合であると考えられています。ですので、1束程度(約150g)では心配ありません。ただ、一人で1束、一度に食べることもほとんどないですよね。

 

何でも体にいいからと言って、一つのものを食べすぎるのはよくありません。たくさん食べたからといって効果が上がるわけではないので、いろんな野菜を少しずつ、バランスのよい食事を心がけたいですね。

 

まとめ

 

夏の野菜はトマトやきゅうり、ナスにオクラなど、葉物野菜が不足しがちです。そんな夏の食卓に、今後はつるむらさきを取り入れてみてはいかがでしょう。

 

栄養もたっぷりですし、暑さによる疲れにも、強い紫外線にも効果が期待できそうですね。

 

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