スパイスの王様、シナモン。パンやお菓子に使ったり、京都の八つ橋に使われているのもニッキ(=シナモン)ですよね。また、肉の臭み消しやソースにも使われます。
シナモンは、単なる香り付けや臭み取りだけのスパイスではなく、以前、ためしてガッテンや世界一受けたい授業などのテレビ番組でも取り上げられるほど、シナモンには優れた効果があるのをご存知ですか?
今回は、シナモンの栄養や効果効能、1日の摂取量の目安や注意点、副作用などについてご紹介します。
シナモンのカロリーと主な栄養素は?
シナモンは100g当たり、364カロリーでビタミンB1・B2・ナイアシン・カリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛・銅・マンガン・クロムなどを含みますが、普段、シナモンを一度に使用するのはたいてい小さじ半分~1(1~2g)程度ですよね。
なので、これらの栄養素を摂取するに当たっては微量と考えたほうがよさそうです。
シナモンの最大の特徴は、毛細血管の健康を守ると言うことです。
シナモンは毛細血管を丈夫にする!
毛細血管とは、体内の全血管の9割以上を占めており、網目状の血管で最も細い血管です。
毛細血管は、心臓から送られた酸素や栄養素を体内の細胞や臓器に運んだり、細胞から二酸化炭素や老廃物を回収する働きがあります。
その毛細血管は、内皮細胞と壁細胞の二つの層で構成されているのですが、細胞壁からアンジオポエチンと言う物質が分泌され、内皮細胞のTie2(タイツー)と言う分子を活性化することで、それが接着剤の役割となり、壁細胞と内皮細胞がしっかりと結合しているのです。
しかし、毛細血管は、直径9~10μm程度の極細で、とてももろいため、不規則な生活や偏食を続けたり、ストレスや紫外線、活性酸素などにより血液成分が悪化すると、その影響で傷ついてしまいます。
それだけでなく、Tie2は年齢とともに活動が鈍くなるので、毛細血管自体も老化していきます。
毛細血管が傷ついたり老化すると、壁細胞と内皮細胞の接着が弱くなり隙間が出来てしまい、そこから栄養や老廃物が漏れ出すようになってしまいます。
すると、全身の細胞や臓器に酸素や栄養が十分に行き渡らなくなったり、老廃物が溜まったままになり、結果、体に様々な弊害が生まれてしまうのです。
シナモンがなぜいいかというと、毛細血管のアンジオポエチンと同じ働きをしてTie2を活性化してくれます。
Tie2が活性化すると壁細胞と内皮細胞がしっかりと結合するので、毛細血管が丈夫になるだけでなく、老化防止、損傷修復の効果もあります。
それに加え、シナモンには血液の凝固を防ぎ、血液をサラサラにする効果もあると考えられています。
つまり、シナモンには血液の通路と血液、両方の状態を整える働きがあるのです。
シナモンの効果効能は?
血液の通路と血液の状態がよくなることで、どのような効果があるか見てみましょう。
✅ 美肌・アンチエイジング
肌への栄養素は血液によって運ばれていくので、その通路をしっかりと確保することで、十分な栄養を肌へ行き渡らせ、健康な肌を保つことに繋がります。
また血流が良くなる事により、肌の新陳代謝がアップし、ターンオーバーが促進されることで、ハリやみずみずしさが保たれ、綺麗な肌を維持できるでしょう。
逆に、毛細血管が老化したり損傷したりすると老廃物が溜まったままになり、しみやシワ、たるみの原因となるのですが、その改善の効果も期待できます。
毛細血管は目の周りに集中しているので、目の周りに出来やすい小じわやクマの改善も期待できます。
✅ 髪の毛を健康に保つ
頭皮にも毛細血管は集中しているので、頭皮を若々しく保つことができます。
また、頭皮や毛根に十分な栄養が届くことで、髪の毛を健康に保つことが出来、ハゲや薄毛、抜け毛、白髪の防止・改善に効果が期待できます。
きな粉にも髪を育成する効果があります。きな粉の栄養や効果はこちらをご覧ください。
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✅ 冷え症改善
冷え性は全身に血液が十分に行き渡らないことが原因で起こります。シナモンを摂取することで、血液の流れを良くすることで、冷え症改善に繋がります。
✅ むくみの予防・改善
通常、毛細血管から排出された水分や老廃物はリンパ管により体外へ排出されるのですが、毛細血管の損傷や老化により漏れが酷くなると、リンパ管がその回収に追いつかなくなり、細胞内に水分や老廃物が溜まり、むくみの原因となります。
シナモンによって、毛細血管が丈夫になると言うことは、むくみの予防や改善にも繋がります。
✅ 高血圧の予防・改善
高血圧には2種類あり、腎臓や心臓などの異常による「二次性高血圧」と、原因が分からない「本能性高血圧」があります。
本能性高血圧は日本人の高血圧の約8割~9割を占めており、遺伝的要因だけでなく生活習慣やストレスなどの後発的要因も関係しています。
その本能性高血圧の大半は毛細血管の血流不足が原因とされています。
血流を改善するシナモンは、高血圧の予防・改善にも効果があると言えます。
✅ 骨を強くする・関節痛に効く
骨や軟骨にはコラーゲンが含まれており、コラーゲンはたんぱく質の一種でその原料はアミノ酸です。
アミノ酸を骨や軟骨まで届けてくれるのが毛細血管なのですが、毛細血管が老化・損傷すると骨がスカスカになったり、軟骨が磨り減って関節が痛くなったりしてしまいます。
シナモンは骨の健康維持にも役立つのです。
✅ 様々な病気の予防・改善
毛細血管は肺や心臓などの臓器にも流れています。
毛細血管が損傷・老化すると酸素や栄養が行き渡らなくなり、それらの臓器の機能が低下してしまいます。
臓器の機能が低下すると、次のような様々な病気を招く可能性があります。
・癌
・アルツハイマー病、認知症
・糖尿病
・腎障害
・脳卒中
・心疾患
・パーキンソン病
毛細血管を強くし、血液の状態を良くすることで、これらの病気を予防したり改善することが出来ます。
また、シナモンは、毛細血管や血液の状態を良くするだけではありません。
シナモンには抗菌・抗ウイルス作用があり、風邪やインフルエンザなどの感染症を予防してくれます。
他にも、シナモンの甘いさわやかな香りの成分は消化促進作用を持っていて、胃の働きを高めて胃液の分泌を促し消化を促進してくれます。
私もシナモンが好きでシナモンパウダーをコーヒーやラテに添えて飲んだり、パンにかけたりして摂取していましたが、そのシナモンにこれほどの効果があったとは驚きです。
シナモンの効果的な食べ方、摂取量は?食べすぎると?
いくら良い効果がたくさんあっても、シナモンは1日にたくさん摂ればいいというわけではありません。
シナモンを長期的に1日10g以上摂取すると肝機能に影響を与える可能性があります。
1日の摂取量は約3g程度が適量で、これだけでも効果は十分見込めます。シナモンの効果は摂取して2~3時間後に発揮されます。
また、摂り方としては、適量を一度に摂取するよりは、4~5回に分けて摂取する方が、シナモンの有効成分を1日を通して、体に溜め込むことができますよ。
ただ、シナモンは子宮に対する強い刺激性があり、子宮出血や流産の危険があります。妊婦さんや妊娠の可能性がある人は、摂取しないでください。
まとめ
今回はシナモンの栄養や効果効能、1日の摂取量の目安などご紹介しましたが、たった少しの量で体に大きな影響を与えてくれるシナモン。
最近体が衰えてきたな、何だか体調を崩しやすくなったな、などど感じる方は、適量を継続的にシナモンの摂取を始めてみてはいかがでしょうか?