子どもでも食べやすく、調理のアレンジもしやすい事から人気のおいしい万能食材の一つ、鮭。
この鮭、実は『スーパーアンチエイジングフード』と呼ばれるくらいの豊富な栄養を持っていることをご存じでしたか?どうやら秘密はアスタキサンチンという成分らしいのですが。
この聞きなれない成分、一体どの様な効果効能を持っているのでしょうか。今回は、知ればもっと食べたくなる、鮭の栄養や効果効能についてまとめてみました。
鮭の栄養は本当にすごい!?
9月から11月が旬の鮭には銀鮭、紅鮭、秋鮭とありますが、それぞれ鮭の種類が異なります。
一般的に出回っているのは養殖されている銀鮭です。紅鮭は、天然の鮭で日本では獲れないそうで、銀鮭に比べると価格も高いです。秋鮭は秋から冬に摂られるので秋鮭と呼ばれていますが、正式名称は白鮭です。
さて、「サーモンピンク」という色があるほど特徴的な赤い色をしている鮭ですが、分類は白身魚なんです。さけはしゃけとも呼びますが、鮭はもともと白身の魚ですが、赤い理由はアスタキサンチンという天然の色素成分を筋肉中に溜め込んでいるため赤い色になっているのだそうです。
実はこのアスタキサンチン、とても強い抗酸化力を持っていて、βカロテンの100倍、ビタミンEの1000倍もの抗酸化力を発揮するという実験結果もあるほどなんです。
また、他の抗酸化作用を持つ物質は、その効果を発揮できる場所が限られているのですが、アスタキサンチンに限っては、細胞膜の内側・中心部のどちらにも、さらには目や脳といった重要な部分にもその効果を発揮してくれるのです。
活性酵素が人間に及ぼす弊害は実に200種類にもなると言われています。活性酵素により細胞が酸化することで、シミやくすみ・肌荒れなど、美容面での悪影響が出てくるばかりでなく、ガンや心臓病・脳卒中・生活習慣病のもとともなります。
ですが、アスタキサンチンの抗酸化力によって活性酵素による細胞の酸化を弱めたり除去したりする事により、これらを防ぐ事が出来るのです。
鮭の皮は食べよう!
また、アスタキサンチンと同じくらい注目したいのが、不飽和脂肪酸の一つであるオメガ3脂肪酸です。主要成分の、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、どちらも生活習慣病の予防に効果を発揮します。
DHAは、悪玉コレステロールの減少や脳の細胞の活性化を得意とし、EPAは、血中の中性脂肪濃度を下げたり血小板が血管内で固まってしまうのを防ぐ作用を持ちます。
このDHA、EPAは実は皮のすぐ下の脂質に含まれているので、皮をはいでしまうと食べ損ねてしまいます。皮を食べたほうがいいというのはこういう理由からだったんですね。
また、皮そのものにはフィッシュコラーゲンと呼ばれる良質なコラーゲンが含まれていて、抽出したものは化粧品や健康食品、医療の分野などにも使われています。
他にも骨を丈夫にするカルシウムや新陳代謝や脂質代謝をつかさどるビタミンB2も含まれています。
この他、鮭には以下のような多くの栄養素が含まれています。
✔ ビタミンA
皮膚や鼻・喉・消化器官などの粘膜を正常に保ったり、夜盲症の予防にも効果があります。
✔ ビタミンB群
まとめて摂った方が効果的なビタミンB群全てを含んでいます。成長促進、消化を助ける、胃腸障害を和らげる、血液循環を良くするなどの効果があります。
✔ ビタミンD
カルシウムの吸収を促進し、丈夫な歯や骨作りをサポートします。
✔ ビタミンE
抗酸化作用を持ち細胞を酸化から守ります。また、毛細血管を拡張させることにより血液の流れを良くしたり、コレステロール値を下げる働きもあります。
✔ セレン
ミネラルの一つですでに出来てしまった活性酵素を直接分解する働きを持ちます。ビタミンEと一緒にとる事で、より効果を発揮します。
✔ リン
カルシウムとともに骨格や歯を形成したり、エネルギーの貯蔵にも必要な栄養素です。
などなど、美容と健康に良い栄養がぎっしりと詰まった鮭が「スーパーアンチエイジングフード」と呼ばれているのも納得ですね。
鮭の効果効能は?
活性酵素は細胞を酸化させ、正常な細胞をガン化させたり、老化を早めたり、有害な過酸化脂質を増やすなどの悪影響を及ぼします。
抗酸化作用により、活性酵素による影響を取り除くことは、それらの進行を遅らせたり防いだりする事に繋がるのですが、アスタキサンチンをはじめ、鮭に含まれる栄養により得られる効能は、主に美容面と健康面(あるいはどちらも)に分けられるので、それぞれをまとめてみました。
✅ 健康面での効果効能
○ 高血圧予防
○ 免疫力を高める
○ がん予防
○ 風邪の予防
○ 血管の老化防止、それによる動脈硬化の予防
○ 脳の老化や病気の予防
○ 眼精疲労の軽減や予防
○ 悪玉コレステロールの減少・善玉コレステロールの増加
○ 心筋梗塞の予防
○ 脳卒中の予防
○ 疲労の回復
○ 筋肉痛の予防
○ メタボリックシンドロームの対策
○ 自律神経のバランスを整える
○ 胃の炎症を抑え、胃潰瘍を防ぐ
✅ 美容面での効果効能
○ 紫外線のダメージを防ぐ
○ シミの予防
○ ダイエット効果
○ しわや肌のたるみの予防・改善
○ 肌の乾燥対策
○ 皮脂分泌の抑制
○ その他のアンチエイジング効果
いかがですか?体にいい効能がこれでもかというくらいありますね。
以前、あるテレビ番組でお医者さんが、毎日鮭のフレークを持ち歩き、食事ごとに食べていると話していたのですが、私もそれを聞いて、冷蔵庫にサケフレークを常備して食べています。
もともと鮭は大好きでよく食べるほうでしたが、この話を聞いてからさらに食べるようになりました。お医者さんの話では、毎日、1スプーン食べるだけでも効果があるそうですよ。ぜひ、みなさんも食生活に取り入れてみてください。
鮭はお弁当のおかずにもぴったりですよね。鮭も冷凍保存するととっても便利ですよ。
鮭の効果的な食べ方は?
家庭で普段の食事に食べる鮭は身や卵がほとんどだと思いますが、実は、鮭は捨てるところがない魚で、中骨や皮、白子や、塩辛になる内臓まで美味しく食べることができるのです。
前述のように皮には生活習慣病の予防をするオメガ3脂肪酸や良質のコラーゲン、ビタミンB2、カルシウムなど豊富な栄養素が含まれていますし、中骨にはカルシウムやリンが多く、身に含まれるビタミンDと相乗して骨を丈夫にする他、精神を安定させるのにも役立ちます。缶詰を利用すると骨も手軽に食べられて便利です。
鮭に含まれるアスタキサンチンは、脂溶性をもっているので、油と一緒に摂るとより効果的だと言われています。ホイル焼きにすると、油分と野菜やきのこなども一緒に摂れるのでおすすめです。
食べる時の注意点は、アスタキサンチンは焼き過ぎて焦がしてしまうと損失します。また、特に塩鮭には塩分がたくさん含まれていますので、食べすぎにも注意です。
鮭のおすすめレシピ
鮭が素晴らしい栄養と効能を持っているということを理解していただいたところで、鮭のおいしいおすすめレシピをご紹介します。
鮭とじゃがいもの塩バター
【材料 3人分】
鮭の切り身…3切れ
じゃがいも…2個
バター…大さじ1
水…100cc
塩こしょう…適量
乾燥パセリ…(あれば)適量
【作り方】
1⃣ 鮭は両面に塩こしょうをしておきます。
2⃣ じゃがいもは食べやすい大きさに切り、水にさらしておきます。
3⃣ フライパンにバターを入れて熱し、鮭を焼きます。水気を切ったじゃがいもも入れ、全体にバターを馴染ませます。
4⃣ 水を加え蓋をして10~15分程、じゃがいもが柔らかくなるまで煮ます。
5⃣ 器に盛り、あればパセリを散らします。
出典:http://cookpad.com/recipe/539222
鮭とジャガイモの相性もよく、また、バターの風味がたまらない一品です。お子さんでも食べやすいレシピですので、ぜひ試してみてくださいね。
鮭の照り焼き丼
【材料 二人分】
鮭の切り身…2~3切れ
白いりごま…適量
サラダ油…大さじ1
酒…大さじ1
A(みりん・醤油…各大さじ1)
【作り方】
1⃣ 鮭は水分をふき取り、3等分に切ります。
2⃣ フライパンに油を熱し、鮭の両面を焼きます。
3⃣ 酒をふり、蓋をして蒸し焼きにします。
4⃣ 火が通ったら、合わせておいたAを加え少し煮詰めます。
5⃣ 白ご飯の上に盛り、ごまを散らして完成です。あれば、三つ葉やカイワレなどを真ん中に添えてもきれいです。
こちらもひと手間加えるだけで、ついついおかわりしてしまいそうな一品です。付け合わせにしめじやブロッコリーなどを一緒に添えても彩もいいですし、栄養のバランスもとれるので、おすすめですよ。
まとめ
今回は鮭の栄養や効果効能についてご紹介しましたが、抗酸化作用を持つ食材は他にもいろいろ注目されていますが、アスタキサンチンの効能は目を見張るものがありますね。それもそのはず、今まで発見された中で、最も強力な抗酸化作用を持つ物質の一つだそうです。
鮭のきれいな切り身もおいしいですが、あらも安いうえに、おいしいですよ。おいしくて体にいいときたら食べないわけにはいきませんね。
鮭以外でも、赤い魚(まぐろなど火を通すと白くなる魚は違います)や、海老やカニなど甲殻類の甲羅にも多く含まれているそうですが、食べやすさから見ても、鮭が一番取り入れやすいので、ぜひ皆さんの食卓でも大いに使ってみてください。