ブランド京野菜というと賀茂茄子や水菜、堀川ごぼうに九条ねぎなどが有名ですね。この他にもとびきり美味しいものが多くある京野菜。
その中でも今回は、初夏に旬を迎える万願寺とうがらしの食べ方をご紹介します。
旬や時期は?ししとうやピーマンとの違いは?
万願寺とうがらしとは、古くより京都で栽培されていた「伏見とうがらし」という品種とピーマンの仲間である「カリフォルニア・ワンダー」という品種とを掛け合わせて作られたブランド京野菜のひとつです。
京都府舞鶴市の万願寺地区で生産されていることから「万願寺とうがらし」と呼ばれています。
見た目は一般的な唐辛子やししとうのように細長い形をしていますが、大きさは15cm程あり、とうがらしの王様とも呼ばれています。色はピーマンのように鮮やかなグリーンで、肉質はピーマンのように肉厚で甘みがあり食べやすいのが特徴です。
とうがらしというと辛い赤唐辛子や、ししとうなど時々辛味のあるものがあるという印象ですが、この万願寺とうがらしはそういったものが非常に少なくなっています。
この万願寺とうがらしの収穫時期を少し遅らせ、赤く色づかせたものを赤万願寺と呼びます。見た目は真っ赤な赤色ですので赤唐辛子を連想し、とても辛そうに見えるのですが、そんなことは無く、赤パプリカのように甘みがあってとても美味しいです。
ちなみに栄養についてはピーマンよりも非常に栄養価が高く、疲労回復効果や免疫力を高める効果が期待できるβカロテンについてはおよそ二倍ほど含まれています。ですので、特に夏バテ予防におすすめです。
万願寺とうがらしの旬は6月~8月頃で、ちなみに露地物は5月上旬~9月下旬にかけて収穫されます。
万願寺とうがらしの下処理、切り方は?種やへたは?
万願寺とうがらしは特別な下処理は必要のない野菜です。実は、種も食べてしまえるので気にならない方は、丸ごとをよく洗いじっくりと焼くだけでそのまま食べることができます。
種が気になるという方はピーマンのように2つに割り、種を取ってあとは調理法に合わせてカットしてください。ヘタは食べないのが一般的ですので、切り落とすかてんぷらや丸焼きの場合は付けたまま調理し、食べる際に除くといいですね。
万願寺とうがらしの食べ方は? おすすめ料理は?
万願寺とうがらしは旨味が強いので、そのまま焼いたり天ぷらにして軽く塩と一緒に食べるだけでもとびきりおいしい野菜です。
その他、ピーマンのように甘辛い味付けで炒めて常備菜にしたり、味噌炒めなどにしてもご飯と合います。油でソテーし、お醤油を掛けたりお肉を巻いて焼いたり煮物にしたりと、使い方は様々ありますのでぜひ、試してみて下さいね。
万願寺とうがらしの甘辛いため
甘辛い味付けで万願寺とうがらしとおじゃこを炒めたら、ご飯に非常に合うおかずになります。どんどん食べられるし冷めても美味しいのでお弁当にもおすすめですよ。
1⃣ 万願寺とうがらし10本はヘタを切り落とし二つ割にして種を除きます。
2⃣ ごま油を熱したフライパンで軽く炒め、ちりめんじゃこ大さじ2、水100cc、だしの素4g、醤油大さじ2、砂糖・味醂それぞれ大さじ1を加え、煮汁がなくなるまで炒めます。
参考レシピ:https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1390006680/
万願寺とうがらしの和物
こちらのレシピはシンプルですが、それが万願寺とうがらしの美味しさを十分に引き出してくれて美味しいんです。お醤油と鰹節という日本人ならみんな唸る味付けで、しかもとっても簡単!晩酌のお供にもおすすめです。
1⃣ 万願寺とうがらし6本を沸騰したお湯で20秒ほど茹で、ザルに上げて流水で冷まし、一口大に切ります。
2⃣ ボウルに入れ、醤油大さじ1、鰹節大さじ1と和えたら完成です。
参考レシピ:https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1990026927/
おいしい万願寺とうがらしの選び方や見分け方は?
折角スーパーで出会ったし買ってみよう!と思った時、さて美味しい万願寺とうがらしって、どう見極めればよいのかなと疑問に思うかもしれません。そんな時にチェックすべきポイントをご紹介します。
✔ 鮮やかな緑色をしていて固さがあるもの
✔ くすみや傷などがないもの
✔ 万願寺とうがらしの特徴である肩のクビレがしっかりと出ているもの
✔ 軸の切り口がきれいなもの
干からびたり茶色くなっていないものが新しいので、このような点に注意しながら見分けると品質の良い万願寺とうがらしを選ぶことができます。
ちなみに、めったに無いですが、稀に辛味のあるものに当たることもあるかもしれません。残念ながら、万願寺とうがらしは見た目からはそれを見分けることができないと言われています。
まとめ
スーパーで見かけても、とうがらしという名前から辛いのかも…とちょっと敬遠していた方も多いかもしれませんね。
私も実は恥ずかしながらそのような誤解をし、最近まであまり手に取らずにいました。ですが、いざ食べてみるととっても味わい深く、甘みがあり美味しいのに感動しました。
ピーマンのような青臭さも少なく、お子さんも食べやすいのではないかと思います。グリルなどでじっくりと焼き、お醤油をサッとひと塗りして食べるのがおすすめの万願寺とうがらし。暑い夏はおつまみにして、ビールと一緒にいただくと至福のひとときにもなりそうですね。