スーパーでは年中出回っていて、さまざまな料理に使えて万能な玉ねぎ。どの家にもきっと1つはある野菜のひとつですよね。

 

そんな毎日使いたい玉ねぎですが、玉ねぎを切ると涙が出る…困ったものですよね。なぜ玉ねぎを切ると涙が出るのでしょうか?出ないようにする方法はあるのでしょうか?

 

今回は、玉ねぎと涙の関係や原因とその成分、出ない方法についてご紹介します。

 

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玉ねぎを切ると涙が出るのはなぜ?

 

通常、玉ねぎの皮を剥いたり、ざっくり半分に切った程度では涙は出ませんよね。細かく切ったり、すり潰したりと玉ねぎを小さく細かくすればするほど涙が出て来ます。

 

涙を出させる成分は、玉ねぎの繊維を壊すことによって発生すると言うことですね。

 

玉ねぎには、アリインという物質とアリイナーゼと言う酵素が含まれていますが、玉のままの状態のときはそれぞれ細胞の中で安定しています。

 

玉ねぎを切ったりすり潰したりすると、細胞が壊れ、アリイナーゼが働くようになり、アリインと反応し硫化アリルと言う物質を発生させます。

 

硫化アリルは、玉ねぎの匂いと辛みの原因となる物質ですが、蒸発しやすいため、空気中に舞い散ります。それが目や鼻の粘膜を刺激するのです。目や鼻が刺激されると、神経から「涙で洗い流せ」と言う信号が出ます。

 

つまり、玉ねぎを切ると涙や鼻水が出るのは、粘膜を守るため体の自然な反応なのです。

 

玉ねぎの栄養はご存知ですか?血液をサラサラにする玉ねぎの栄養はこちらをご覧ください。

⇒ 玉ねぎの栄養と効能は?水にさらす食べ方は効果がある?

 

涙が出ないのは若い証拠?

 

涙が出ることに年齢は関係してくるのでしょうか。答えは、正解なんです。

 

しかし、若いから涙が出ないと言うのは逆で、〝若いから涙が出る〟のです。玉ねぎを切ると涙が出るのは、正常な目である証拠です。

 

歳を取ると体が衰えていくように、目の働きも悪くなり、涙を分泌させる涙腺の機能も悪くなります。

 

すると玉ねぎの硫化アリルによる刺激も感じにくくなったり、涙を流せと言う信号が出にくくなったりするのです。

 

若くて健康な目であれは、玉ねぎを切ったときに涙が出るはずなのですが、最近では若い人でも涙が出づらくなっているようです。

 

ある番組の実験で、健康な男女40人に玉ねぎを切ってもらい、涙が出るのかを調べたそうです。年齢は分かりませんが、様々な年代の方がいたのでしょう。

 

結果、涙が出た人が11人で、全く涙が出なかった人が29人もいたのです。

 

そして涙が出なかった人の目を調べたところ、7割の人に目の異常を示す黒い筋があったのです。

 

この黒い筋はダークスポットと呼ばれ、涙の分泌量が減ったり、涙の蒸発が増えたりすることによって、黒目を覆っている涙の膜に地割れのような筋状の穴が開いてしまう状態を言います。

 

本来は、加齢で涙腺機能が低下することによって起こるのですが、最近では若い年代の人にも増えてきているようです。

 

その原因は、パソコン等(スマホ・タブレット含む)、コンタクトレンズ、エアコンの三つに大きく関係しています。

 

パソコン等は、画面に集中していると脳が見ることを優先してしまい瞬きを止めてしまうので、涙の蒸発が進んでしまうからです。

 

コンタクトレンズは、通常の連続装用時間(12時間~16時間)を超えて使用することにより、レンズに汚れが付着し、涙の膜が崩れやすくなってしまいます。

 

すると、慢性的に涙が不足したり、角膜の栄養となる酸素も減少するため、目が傷つくリスクが高まってしまうのです。

 

最近ではカラーコンタクトや目を大きく見せるコンタクトも出ているので、コンタクトレンズを使用している人は多いですね。

 

また、エアコンは、長時間エアコンが効いた空気の乾燥した場所にいることによって、目が乾燥するからです。

 

このようなことが重なり、涙の分泌量が減った目の働きが悪くなったりすると、若くても玉ねぎを切っても涙が出づらくなってしまうのです。

 

普通に玉ねぎを切っても涙が出ないなら、注意が必要かもしれません。

 

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涙が出ないようにする方法は?

 

玉ねぎを切ったときに涙が出る=正常な目であることが分かってほっと一息…ですが、やっぱり玉ねぎを切ったときに涙が出るのは困りますよね。

 

涙が出ないようにする方法として大きく2つあります。

 

硫化アリルを放出しにくくする

涙が出る原因である硫化アリルの発生が防げれば、涙は出ませんよね。

 

まずは玉ねぎを使う1~2時間前に冷蔵庫に入れて冷やしてみましょう。

 

硫化アリルは揮発性で温度が高ければ高いほど蒸発しやすいので、冷やすことによって蒸発しにくくなります。

 

次に包丁を濡らしながら切ってみましょう。手間ですが、切るごとに一回一回水で濡らしながら切るのです。

 

硫化アリルが蒸発する前に包丁に付いている水へ溶け出すため、空気中への蒸発を防ぐことが出来ます。

 

玉ねぎを水に漬けておいてから切ると言う方法もありますが、そうしてしまうと、目の痛みは軽減できても玉ねぎの栄養がどんどん水に溶け出してしまうので、あまりお勧めできません。

 

包丁を切れやすくしておくと余計な力を使わないで済むので、玉ねぎの壊れる細胞の数を減らすことが出来、硫化アリルの発生量も減らすことが出来ますよ。

 

玉ねぎを加熱して使用するつもりであれば、切る前に電子レンジで30~1分間軽く加熱するのも効果的です。

 

火を通してしまうことで、辛い玉ねぎが甘くなるように、硫化アリルの成分が変化し、刺激物質でなくなるのです。

 

硫化アリルの付着を防ぐ

玉ねぎや包丁の方法を試すのがめんどくさい、試しても無駄だったと言う方は、硫化アリルの侵入をシャットアウトしてしまいましょう。

 

目への進入を防ぐためには、ちょっと大げさですが水中ゴーグルをかけるのが良いです。眼鏡は眼球全体が保護されているわけではないので意味がないんですね。

 

硫化アリルは目だけでなく、鼻の粘膜も刺激します。人は普段、鼻が詰まっていない限り鼻呼吸をしています。

 

実は硫化アリルは、鼻呼吸により目よりも鼻の粘膜に付着しているほうが多いのです。

 

目を守るより、鼻栓をしたりマスクをしたりして鼻からの進入を防ぐほうが効果があるかもしれません。酷い場合はどちらも試してみてくださいね。

 

 まとめ

 

毎日の食事に重宝し、しかも血液をサラサラにしてくれたりと私たちの体に嬉しい効果をもたらしてくれる玉ねぎ。

 

硫化アリルが、①空気中に蒸発するのを防ぐ、②目や鼻に進入するのを防ぐの2つが出来ていれば涙や鼻水は出ません。先ほど挙げた方法はとても簡単な方法ですので、ぜひ試してみてください。ご自分に合った方法が見つかるといいですね。