種なしぶどうは皮ごと食べてもOK?その種類は?   

秋になると甘くてジューシーなぶどうが出回りますが、どうしても2つだけいつも困ることがあります。それは、「種が入っていること」と「皮を剥くのが面倒なこと」です。

 

ぶどうもイチゴやキウイのように果皮と種を丸ごと食べることができれば良いのですが、果皮ごと食べると食味が悪くなりますし、細長くて硬い種を飲み込むのはちょっぴり抵抗がありますよね。

 

ですが、近年ぶどう農家さんの努力によって果皮ごと食べられる種なしぶどうが誕生し、今では多くの種なしぶどうが市場に出回っています。

 

そこで、今回は種なしぶどうの品種と種類、本当に皮ごと食べてもいいのか、食べても安全な品種はあるのかについてご紹介します。

 

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種なしぶどうの種類と品種は?

 

秋に旬を迎える「ぶどう」は、世界に10,000種以上も存在すると言われており、うち50種~60種ほどが日本で商業栽培されています。

 

日本では、桃、すもも、さくらんぼなどの生産地でフルーツ大国として知られる山梨県がぶどうの日本一の生産量を誇っています。

 

山梨県では日本一というだけあって、定番の巨峰やデラウェア、ピオーネをはじめ、赤や黒、緑 (白)など様々な果皮のぶどうを栽培しています。

 

そのため、毎年ぶどうの収穫シーズンが訪れると多くの観光客が山梨にやって来て、ぶどう狩りを楽しんでいます。

 

ぶどう狩りに行かれた方なら経験があると思いますが、たくさん食べようと思って欲張っても、残念ながらそんなに食べれるものではないですよね(笑)?

 

いまの若い世代の方々は、種なしぶどうが当たり前となっていますが、40代以降の世代の方々は昔ながらの種ありぶどうの方が食べ慣れているため、種なしぶどうをあまり好きではないという方も多いようです。

 

本来のぶどうには、1粒1粒に種が入っており、くちいっぱいに広がる素朴な甘みをもつ果汁が人気の種ありぶどうでした。

 

ジベレリン処理

 

ですが、昭和30年代初頭、消費者の方々から「皮を剥いたり、種を取ったりするのが面倒」「皮が剥き難くて食べにくい」といった意見があり、植物ホルモンのひとつである“ジベレリン”をぶどうの花に浸漬させ、種なしぶどうを作るという技術が日本で初めて誕生したのです。

 

しかも、この技術はデラウェアの房の粒同士が詰まり過ぎないよう、房の軸が伸びることを期待して行われた研究の際に偶然発見されたものであり、その後、巨峰やピオーネなど様々な品種のぶどうから種を取り除くために用いられるようになりました。

 

この技術を「ジベレリン処理」と呼び、今では多くのぶどう農家さんたちが、ジベレリンの入ったコップを片手にぶどうの花1つ1つを浸してゆく作業を行っています。

 

種なしぶどうを作るのは、ぶどう農家さんたちにとって多大な経費と労力がかかる作業となるのですが、おいしいと食べてくれる消費者のために寝る間も惜しんで最高の房作りを行っています。

 

本当に有り難いことですよね!

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種なしぶどうの品種

 

現在、ジベレリン処理が行われているぶどうの品種は、

・デラウェア

・巨峰

・ピオーネ

・ナガノパープル

・シャインマスカット などがあります。

 

いまでは様々な種類や品種の種なしぶどうがあり、なかには皮ごと食べることができる品種や1年中食べられる種類もありますので、最寄りのスーパーや果物屋さんへ行かれた時に、チェックしてみてはいかがでしょうか?

 

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種なしぶどうは皮ごと食べてもOK?

 

さて、ここで気になるのが種なしぶどうが“ジベレリン”という植物ホルモンを使用して作られているという点です。

 

ジベレリンは農林水産省に登録されている「農薬」のひとつであり、小袋入りの顆粒で販売されています。

 

農薬というと、化学物質を合成して作られているイメージを持っている方も多いと思います。私も実はそう思っていました。

 

ですが、ジベレリンは、自然界に存在するものですので、ジベレリンを生成する能力の高い菌類を培養して作られていますので、バイオテクノロジーに分類される農薬となっています。

 

また、ジベレリンの利用はぶどう以外にも、トマト・イチゴ・ナス・びわ・柿・柑橘類・シクラメン・トルコキキョウ・菊など様々な野菜や果物、生花に用いられており、実はとても身近なものだったりします。

 

ぶどう以外にもこんなに使われていたなんて驚きですね!

 

しかし、ジベレリンはやはり農薬の一種ですので、ジベレリン処理が施された種なしぶどうを食べるのは、ちょっぴり抵抗があるという方も少なくありません。

 

ジベレリンの安全性についてですが、

体重1kgあたり0.14mg/kgの摂取ならば人体に影響は無い

と考えられており、基本的にはジベレリン処理が行われた皮ごと食べられる種なしぶどうを食べても健康を害する危険性は低いと言えます。

 

しかし、どうしても気になるという方は、

・トンプソンシードレス

・フレームシードレス

・ヒムロットシードレス

といった、元々種を持たない無核品種のぶどうがオススメです。

 

★ 種なしぶどうには「種なし」のシールが張られていますね。

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皮ごと食べられるぶどうの品種は?

 

ちなみに、現在日本で栽培が行われている皮ごと食べられるぶどうの代表的な品種は、

・ナガノパープル

・シャインマスカット

・甲斐路

・瀬戸ジャイアンツ

などが挙げられます。

 

ちなみに、私のオススメは「ナガノパープル」です!

 

ナガノパープルは平成17年に初めて市場に出回った種なしぶどうであり、生産量も少なく、とっても稀少なぶどうなのですが、皮ごと食べられる大粒の甘みたっぷりな果汁たっぷりの黒皮ぶどうですので、気になった方は、是非召し上がってみてください。

 

種なしぶどうを食べるときの注意点は?

 

ぶどう農家さんのおかげで、皮ごと食べられる種なしぶどうが栽培され、食べられるようになったのですが、1つ注意しなければならないことがあります。

 

ぶどうの果皮には「レスベラトロール」というポリフェノールが含有されており、過剰摂取してしまうと腹痛や下痢を引き起こす原因となります。

 

レスベラトールは、巨峰などの黒くて果皮が固めなぶどうに多く含まれている成分ですので、美味しいからと言って食べ過ぎないように注意しましょう。

 

万一、食べ過ぎてしまうと健康を害する危険性がありますので、大粒のぶどうならば7粒~8粒、こぶりのぶどうならば10粒ほどを目安に食べるのがオススメです。

 

とは、いっても無意識に食べていると、あっという間に一房ペロッと食べてしまうこともありますよね。

 

以後、気を付けたいと思います!

 

まとめ

 

今回は種無しぶどうを皮ごと食べても安全なのかについてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

 

皆さんもご存知かと思いますが、ぶどうは種なしでも種ありでも皮ごと食べることで様々な効果や効能を得ることができます。

 

秋はぶどうが旬ですし、おいしい季節ですので、ついついたくさん食べてしまいがちですが、くれぐれも食べ過ぎないように注意しましょう。

 

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