みなさんはかりん、よくご存じですか?かりんって、聞いたことはあってもあまり口にすることが少ない果物の一つではないでしょうか?なので、ご近所さんからもらったり、喉にいいと聞いて使ってみたいと思っても、簡単に作れたりすればいいですが、生で食べるのか、どうすればいいのか悩んでしまいます。
今回は、そんな珍しい果物かりん、生で食べられるのか、使い方や食べ方、簡単にジャムやかりん酒、かりんシロップなどにするレシピをまとめてみました。
かりんは生で食べられる?
その形は卵型の楕円形で洋ナシに非常に似ていますが、かりんは鮮やかな黄色で、洋ナシはどちらかというと黄緑色をしていますね。
とてもいい香りがするので、ついついだまされてしまいますが、かりんは酸味が強くて渋く、生では全くおいしくないので、実は食べることができません。
また、繊維質で細胞膜が石のように固いことから石細胞と呼ばれ、果物ナイフでも切りにくいほどです。
このように生で食べることができないので、かりんには「クワズナシ(喰わず梨)」という別名も存在するほどです。
生で食べられないかりんですが、煮ることでかりんの渋みが抜け、ジャムや砂糖漬けに加工するとおいしくなります。まるで渋柿のようですね。
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かりんはとってもいい香り!
かりんは熟するととてもいい香りがします。それもそのはず、かりんはバラ科のカリン属、バラの仲間なのです。
熟すほどに香りが強くなり、黄色く変化します。また、熟れる前はすべすべの皮が熟れてくると、皮に油がでてきてべたべたするのですが、これが熟れた時のサインとも言えます。
生ではたべられないけど香りがいいので、玄関や車の中に置いておくと芳香剤にもなります。ですが、ただ置きすぎると腐ってくるので、もし置く場合は、こまめに確認をして腐る前に捨てるようにしましょう。
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かりんのおすすめレシピまとめ5選
生で食べられないかりんも、煮たり、お酒や砂糖に漬けることで、とっても美味しく変身します。しかも風邪によかったり、喉を保護してくれるので、もらったりしたらぜひ加工してシロップやジャム、お酒を作っておきたいですね。
ただ、使う際に、かりんが淡い緑色でまだ熟していない場合は、追熟させる必要があります。香りがでてきて、きれいに黄色くなるまで、新聞紙に包んで冷暗所に置いておきましょう。
かりんシロップ
まずは、簡単にはちみつ漬けです。はちみつですので、お子さんも安心して食べられますし、風邪や喉にもいいので、かりんが手に入ったら、ぜひ作っておきたいですね。
【材料】
かりん・・・好きなだけ
砂糖・・・・かりんと同量
出典:http://cookpad.com/recipe/1291521
⇒ かりんシロップ
かりんは丸ごと熱湯で煮たら、ザルにあげて一晩おきます。翌朝、カットして、はちみつまたは砂糖と一緒につけて2日に1回ほどガスを抜きながら1ヶ月冷暗所で保存しておきます。1ヶ月後、お鍋で沸騰させて、こし器でこしたら完成です。
シロップはお湯やお水や炭酸水で割ってもいいですし、お酒に少し入れるのもおすすめです。ヨーグルトやアイスクリームにかけるのもいいですね。風邪の予防やのどが痛い時に飲むと咳を止める効果も期待できますよ。
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かりん酒
お酒好きの人にはぜひ、かりん酒を!作り方はいろいろあって、2,3ヶ月、6ヶ月、1年と保存するものがあるのですが、1年はちょっと待ち遠しいなと思い、6ヶ月で簡単に作れるレシピを選んでみました。
【材料】
かりん・・・・・・・1kg
ホワイトリカー・・1,8リットル
氷砂糖・・・・・・・200~300g
出典:http://cookpad.com/recipe/1278679
かりん酒は年数が経過するほどまろやかになるそうですので、毎年作って飲み比べてみるのもいいですね。
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花梨の砂糖煮
これは煮たらすぐに食べられるおやつです。お酒やシロップにするのは待ちきれない!という時にぴったりですね。
【材料】
かりん・・・・・・・2個
砂糖・・・・・・・・ かりんのボリュームの2/3
レモン汁・・・・ 大さじ2
お酒・・・・・・・ 大さじ4
出典:http://cookpad.com/recipe/2432459
⇒ 花梨の砂糖煮
かりんは洗っていちょう切りにします。鍋に砂糖とかりんを入れて火にかけます。柔らかくなったらレモン汁とお酒を入れて、さらに煮詰めます。好みの固さになったら完成です。
お湯やお水に入れて飲んだり、ヨーグルトやお肉料理に添えるのもいいですね。
花梨のジュレ
かりんにリンゴを加えて作るジュレです。色がとってもきれいですね。
【材料】
かりん・・・・・・・・ 600g
りんご・・・・・・・・ 300g
砂糖・・・・・・・・・ 350g
れもん果汁・・・・大さじ1~2
水・・・・・・・・・・・ 1200cc
出典:http://cookpad.com/recipe/1646760
⇒ 花梨のジュレ
りんご、かりんをカットして、芯や種、皮を全部の材料と一緒にお鍋にいれて60分煮込みます。煮詰めたものをザルなどでこして、煮沸消毒した瓶に入れて、完成です。
カットして煮るだけのとっても簡単なレシピです。りんごとかりんで栄養満点で、その日のうちにできるのがうれしいですね。
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かりんジャム
とってもきれいな色のかりんジャム、これなしでは、冬は過ごせない!というご家庭もあるようです。
【材料】
かりん・・・・・・2個
砂糖・・・・・・・かりんの70%ほど
水・・・・・・・・・500~600cc
出典:http://cookpad.com/recipe/705948
⇒ かりんジャム
かりんは半分に割って、種と皮、実に分け、実はいちょう切りにします。種と皮のみお鍋に入れてトロトロになるまで煮たら、火からおろして、こし器でこします。こした果汁は、再び果肉と砂糖と一緒に火にかけて20分ほど煮詰め、再度こします。再度火にかけて煮詰まったら完成です。
合計3度煮詰めますので、ちょっと手間かもしれませんが、手を加えただけあっておいしいジャムが出来上がります。かりんジャムを食べ始めたら風邪をひかなくなったという人もいるそうなので、ぜひ試してみたいですね。
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こちらはかりんのはちみつ漬けを動画でご紹介しています。わかりやすいので、ぜひチェックしてみてください。
【動画:かりんのはちみつ漬けの作り方】
かりんの効果は?
実はかりんは2000年前から中国でも薬用として使われ、中国の書物「本草綱目(ほんぞうこうもく)」には咳止めや利尿作用、鎮痛作用があると記されているそうです。また、前述、玄関に芳香剤として使用するとご紹介しましたが、この時代にも香りも利用され、衣類や室内の芳香剤として使われていたそうです。
そんな遥か昔から薬と使われていたかりんですが、かりんに含まれる「アミグダバリン」という物質がせきや痰、ぜんそくに効果があるとされています。
かりんには主にビタミンCとタンニンが豊富に含まれています。これらにはどんな効果効能があるのか見てみましょう。
ビタミンCは免疫力を高めてくれる効果や、抗酸化作用があります。抗酸化作用とは身体が老化することを防ぐ作用ですが、病気の予防や体の老化、肌の老化を予防してくれます。
また、タンニンは渋柿やワインなど渋味のある成分に含まれているポリフェノールの一種ですが、組織や血管を引き締める作用があるので、毛穴を目立たなくするように肌を引き締めたり、メラニンの生成する細胞が増えるのを抑制するので、美肌効果も期待できる、女性にはうれしい果物です。
また、腸の粘膜を刺激することからも下痢を改善する効果や、抗酸化力をもつので、動脈硬化などの生活習慣病を防ぐことも期待できます。
ただ喉やせきにいいだけだと思っていたら、肌や体全般に非常に優れた効果を持つ果物だったんですね。かりんシロップやかりん酒を摂取することで風邪も引かないと言われていますから、この冬からはぜひ常備しておきたいですね。
まとめ
今回はかりんの食べ方や効果についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。風邪や咳に効果があることから、また最近少しずつ注目されているかりんです。いつも思いますが、昔から伝わるものってほんとにいいですね。
自然の食べ物で体にもいいですから、こういった日本の良い習慣は積極的に生活に取り入れていきたいですね。