何とも言えない香りが特徴的なニラ。中華料理やスープなどに大活躍で美味しいですよね!
年中流通しているニラですが、特に旬の3月から5月の季節はニラの匂いと言い、鮮やかな緑色と言い、いかにも栄養をたっぷり含んでいそうな感じですね。
今回は、そんなニラの持つ栄養やその効果効能についてまとめてみました。
ニラの栄養は?
ニラの香り成分の9割を占めるのはメチインと呼ばれる、ピロリ菌を抑制する効果のある成分です。同じく香り成分には、硫化アリルの一種アリシンも含まれていて、殺菌効果があり、ビタミンB1と結びつくことで新陳代謝を良くし、疲労回復に効果的な成分です。
その他、ニラにはカルシウム、カリウム、βカロテン(ビタミンA)、ビタミンC、ビタミンEや葉酸などの栄養素が多く含まれています。
それぞれの成分にはどのような効果があるのか見てみましょう。
メチイン
胃がんの原因ともなるピロリ菌ですが、メチインにはこのピロリ菌の増殖を抑制する効果がある事がわかっています。さらに、抗生物質では除菌できないタイプのピロリ菌にも有効であるとも言われています。
カルシウム
強い歯や骨を作るためには欠かせない栄養素のカルシウム、体の生理機能を調整して心を安定させる働きもあるので、イライラを鎮める効果もあります。
カリウム
体内の余分なナトリウム(塩分)の排出や、腎臓に溜まりやすい老廃物の排出を促す働きを持ちます。筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。
βカロテン
強い抗酸化作用があります。体内ではビタミンAとしても働くので、皮ふや粘膜・目の健康を保つのに効果的です。
ビタミンC
抗酸化作用がある他、コラーゲンを合成し肌にハリを持たせ、メラニン色素を分解するので、シミやそばかすの予防などの美白・美肌効果が期待できます。また、免疫力を高めて風邪をひきにくくする、ストレスへの抵抗力を高めるなど、様々な働きを持ちます。
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葉酸
赤血球を作り出して、細胞分裂が活発な胎児の正常な成長に大切な役目をはたす栄養素です。妊娠初期の女性は特に積極的な摂取が必要です。
⇒ 葉酸の多い食べ物や飲み物は?妊娠中や妊活中の方におすすめ食材18選!
ニラの効果効能は?
ニラの薬効として主なものには、滋養強壮、消化促進、食欲増進、便秘の解消、胸やけ防止、つわりの抑制などがあります。また、体を温める食物ですので、冷え性にも有効です。
スタミナアップ
スタミナを高めるために有効なビタミンB1は、吸収率が悪いという特徴がありますが、アリシンを一緒に摂取することで吸収率が高まります。
ニラにはビタミンB1とアリシンの両方が含まれていますが、豚肉などと一緒に摂る事でビタミンB1の吸収率をさらに高める事ができ、精力やスタミナアップを期待できます。
血液サラサラ効果
抗酸化作用によって、血栓の原因となる血管壁にコレステロールがたまるのを防ぎ、血液をサラサラにしてくれる効果があります。これにより、動脈硬化や脳梗塞のリスクを減らす事にも繋がります。
冷え性の改善
抗酸化作用によって血液をサラサラにしてくれる事で全身に血が滞りなく巡ります。また、毛細血管を拡張するビタミンEも含まれている事で体の隅々まで血が巡り、冷え性の改善につながります。
風邪の予防に
βカロテンやビタミンCは免疫力を高めて風邪に負けない体を作ります。食物繊維の働きで腸内環境を整えるのも免疫力を高めることになります。
がん予防に
ビタミンCやβカロテンは抗酸化作用が強く、免疫力が高まることで、がん細胞を抑え込み増殖させない働きもしてくれます。前述のとおり、メチインは、胃がんの原因となるピロリ菌を抑制する働きを持ちます。
老化防止
ビタミンCやβカロテンは抗酸化作用が強く、体に害を与える過剰な活性酸素の働きを抑制し、体の酸化、老化することを防いでくれます。
いつも何気なく食べているニラにもこれだけの効果があるのにはちょっと驚きですね。ねぎにも素晴らしい栄養や効果がありますが、同じようにニラも摂取したほうがいいなという率直な感想を持ちましたが、あなたはいかがですか?
ねぎの栄養や効果効能はこちらをぜひご覧ください。
⇒ ねぎの栄養と効果効能は?熱していいヌルで免疫力アップ、風邪の予防も!
ニラの効果的な食べ方、茹で方は?
ニラには、胎児の正常な成長に大切な役目を果たすため、妊娠中、特に妊娠初期には積極的に摂るようにすすめられている葉酸が豊富に含まれています。
他にも、風邪をひきにくくするための免疫力を高めるビタミンCや、妊娠中は不足しがちになるカルシウムや鉄も多く含まれていますので、薬に頼らず食べ物から栄養を吸収したい妊婦さんにはピッタリです。
ですが、ニラに含まれる不溶性食物繊維は、通常でしたら腸内で水分をすって膨らむため、腸のぜん動運動を促進して便通を良くする働きを持っているのですが、腸の働きが低下している人や頑固な便秘の人が摂取すると逆効果や腹痛となる事もあります。便秘になりがちな妊娠中は、逆に便秘をひどくさせないように注意することも必要です。
また、体内の消化液で消化されずそのまま排出される不溶性食物繊維は、腸内で停留すると腸の中を詰まらせてしまう原因となりますので、小さめに切ってよく噛んで食べる事が大切です。
栄養の吸収面から見ても、香り成分であるメチインやアリシンは、細かく刻んだ方が香りがよく発生してたっぷり摂取出来るのだそうです。また、水溶性のビタミンなども含まれていますので、水洗いはさっと済ませましょう。
ニラは生で食べることができ、ビタミンCなどは特に生で食べる方が吸収されやすいのですが、加熱調理する場合は、ニラは最後に加えて火を通し過ぎないようにすることが栄養をできるだけ損なわずにすみます。
何でも食べすぎはいけませんが、ニラは特にアレルギー体質や胃腸の弱い方は注意しましょう。
ニラの上手な保存方法は?こちらをご覧ください。
⇒ ニラの保存方法、保存期間は?カットしたものや冷凍は?腐るとどうなる?
ニラのおすすめレシピ
餃子のタネにしたり、レバニラ炒めやお鍋に入れたり、生食で薬味にしたりと、実はニラは何にでも合わせやすく使いやすい食材です。ここでは、栄養の吸収率が良さそうなレシピ2品をご紹介します。
ニラの豚バラ巻きしょうが照り焼き
【材料】
ニラ…1袋
豚バラ薄切り…適量
A(しょうゆ…小さじ2、酒・みりん・砂糖…各小さじ1、しょうが…小さじ1/2)
出典:http://cookpad.com/recipe/4218989
【作り方】
1⃣ ニラを洗って短く切って豚肉で巻きます。
2⃣ 全体に火が通る様に1分蒸し焼きにします。
3⃣ Aの調味料をかけて煮詰めたら完成です。
焼き油揚げのニラソースがけ
【材料】
油揚げ…1枚
ニラ…2本
A(砂糖…大さじ1/2、しょうゆ・酢…各大さじ1、ごま油…小さじ1)
出典:http://www.kikkoman.co.jp/homecook/search/recipe/00002542/index.html
【作り方】
1⃣ 油揚げは、魚焼きグリルで両面焦げ目がつくくらいに焼いたら、食べやすく切ります。
2⃣ ニラは細かく刻んで、Aの調味料と合わせて1⃣にかけたら出来上がりです。
どちらもパパッと手軽にできる簡単メニューです。ぜひお試しください。
まとめ
今回はニラの栄養や効果効能についてご紹介しましたが、ニラがピロリ菌の予防や抑制になるのは驚きましたよね。
また、ニラの効果として注目されるのはやはりスタミナUPや風邪予防などの強い健康な体を作るためのものが多いですね。火の通りも早く、調理に時間もかからない食材ですので、普段の食事にもっとニラを取り入れて、健康な体作りに活かしたいですね。