新しい年を家族が健康に暮らせる様にと、お正月に欠かせない食べ物と言えばおせち料理。
おせちに入れるものも色々ありますが、その中でも欠かせないないものの一つが「黒豆」ではないでしょうか。
実はこの「黒豆」、圧力鍋を使うことで、自宅でも簡単に作ることができるんです。
今回はそんな、黒豆の圧力鍋での作り方、色落ちやしわを作らない方法や黒豆の栄養と効果について調べてみました。
圧力鍋を使った黒豆の煮方は?
今ではおせちを通販で買えたり、百貨店で予約できるなどご家庭で作らないことも多くなっていると思いますが、黒豆も意外と作ってみると簡単ですので、是非、今年はチャレンジしてみてください。
今回は、圧力鍋を使った黒豆の煮方をご紹介します。
【材料】
黒豆 1袋(250~300g)
★水 800cc
★砂糖 150~200g(お好みで)
★醤油 大さじ1
★塩 小さじ1/2
錆びたくぎ(もしくは漬物用の鉄玉子)
黒豆の下準備
黒豆は煮る前日に下準備が必要です。その手順は、
1⃣ ★の調味料を合わせて火にかけ砂糖を溶かし、冷ましておきます。
2⃣ 豆を優しく洗います。 (この時、水に浮いてくる豆は虫食いなので省いておきます。)
3⃣ 1⃣が、手で触れるくらいにまで冷めたら、洗った豆と錆びたくぎ(よく洗ってガーゼ等で包んだもの)または鉄玉子を入れ、 一晩つけておきます。
黒豆の煮方
では、いよいよ作り方です。その前に注意点、黒豆を一晩漬けた調味料が入った漬け汁は使いますので、捨てないでくださいね!
1⃣ 下準備したお鍋をそのまま強火にかけ、煮立ったら火を弱め浮いてきたアクを丁寧にすくい取ります。
2⃣ 落し蓋とお鍋の蓋をして加熱します。圧がかかったら弱火にして15分程(使う圧力鍋によって時間は異なるので様子を見ながら)加熱します。
3⃣ 15分経過したら火をとめ、圧が下がり、粗熱がとれたらくぎ(鉄玉子)を取り出し、そのまま煮汁に浸しておき、味を含ませます。(一晩寝かせた後の煮汁で煮詰めると艶やかに仕上がります。)
以上で出来上がりです。たった15分で煮れるなんて、感激です。圧力鍋はやはり早くて便利ですね。
実は今回の、調味液につけてから煮るという作り方は「関西風」で、「関東風」は砂糖を最後に入れて仕上げます。
また、黒豆というと、ふっくらつやつやしたものが定番だと思っていましたが、関東では、「シワがよるまで長生きする」という意味を込めて、あえてシワをよせて煮たりするんですね。地域によって、味も仕上げも様々なんですね。
一晩漬けなくても大丈夫!小豆の煮方はこちらもチェックしてみてください。
⇒ 小豆の煮方、簡単で時短な方法は?ぜんざいやおはぎ、煮小豆にも!
色落ちしない・しわを作らない方法
年に一度のおせち料理ですから、味もさることながら見た目もきれいに作りたいですよね?
多くの方が疑問に思われる「しわ」と「色落ち」についてはどのようにすればいいのか見てみましょう。
色落ちを防ぐには?
黒豆を煮ると色がきれいに出ないと悩むことがありますが、色落ちしないようにするにはいくつか方法と注意点があります。
☑ しっかり乾燥している黒豆を使う
☑ さびた鉄くぎを入れる
☑ 一晩豆を浸した水は捨てない
☑ みりんなどのアルカリ性の調味料やミネラルウォーターは使わない
☑ 煮ている最中や出来上がってからも豆が空気に触れないようにする
黒豆の皮の色素は、金属イオンと結びつくことで色が鮮やかになる性質を持っているため、昔から黒豆を煮るときに錆びたくぎを一緒に煮たのはそのためです。
現在では、錆びたくぎが手に入りにくいことや衛生面から、漬物用の鉄玉子を用いることも多いようです。
また、茹でる際に、豆を浸した水を捨てないようにとありましたが、この浸した水を捨ててしまうと黒豆に色がつかない原因になりますので、必ず捨てずに使いましょう。
空気に触れてしまうと色落ちする原因にもなりますので、空気に触れないように、つねに煮汁がかかっていることも大事です。
こうやって見てみると色落ちしてしまう原因がいろいろあったことがわかります。どれも難しいことではないので少し注意すればできそうですね。
しわを防ぐには?
また、しわのない、ふっくら、つやつやの黒豆を作るためには、しっかり戻すことも必要ですが、とにかく空気に触れない様に、常に煮汁に浸っている状態にしておくことが大切です。さきほどの色落ちを防ぐところにもありましたね。
ですので、煮汁から豆が出そうな場合には、キッチンペーパーをかぶせるなどして空気に触れないようにしましょう。
また、豆をふっくらと煮るためには重曹を入れると良いとも言いますが、重曹は急激に熱に反応して発泡するため圧力鍋には向いていません。
これで、きれいなしわのない色のきれいな黒豆が作れそうですね!数の子やくわい、ユリ根など、お正月にしかなかなか食べられない他のお節料理も、毎年作る方も、作ったことがない方も今年はぜひ、作ってみてください。
⇒ 数の子の塩抜き、時短の方法は?真水より塩水がいいって本当?
⇒ くわいの食べ方、おせち用切り方は?下処理や保存方法もご紹介!
⇒ ユリ根の食べ方、保存方法は?冷凍も簡単でお正月は大活躍!
黒豆は栄養満点!
黒豆は大豆の品種の一つで、豊富な栄養素を持つことでおなじみの大豆と同様、必須アミノ酸のバランスが良い良質なたんぱく質を多く含んでいます。
黒豆の持つ代表的な栄養素としてポリフェノールの一種、アントシアニンがありますが、これは、黒い皮の部分に含まれているため大豆には含まれていません。
このアントシアニンは抗酸化作用が強いため、アンチエイジングに効果を発揮し、発がんの抑制や白内障・緑内障などの眼病予防や眼精疲労の改善にも効果的です。
他にも、血流の改善によって冷え性や肩こりなどに効果的な他、血圧上昇を抑えたり生活習慣病の予防にも役立ちます。
また、アントシアニンの他にも、
☑ ホルモンバランスの調整や更年期障害を緩和してくれるイソフラボン
☑ 血液の余分なナトリウムを排出し、高血圧の防止効果があるカリウム
☑ 貧血のほか、イライラや集中力低下の防止となる鉄分
☑ 老化防止、皮ふや粘膜の健康維持に役立つビタミン類
☑ 腸内環境を整えることで便秘の解消ともなるオリゴ糖や食物繊維
☑ 細胞の活性化や、善玉コレステロールを増やし動脈硬化の予防に役立つレシチン
※黒豆のレシチンは特に脳細胞・神経細胞に作用し、記憶力・学習能力を高めるため、老人性認知症の改善にも効果があるそうです。
など、健康な生活を送るうえで欠かすことの出来ない栄養を豊富に含んでいます。
ちなみに、おせち料理に黒豆を入れるのは黒色には邪気を払う力があると言われていたことから「災いを防いでマメに達者で長生きをするように」と、「黒く(真っ黒に日に焼けるほど健康に)マメに暮らす」という由来があるそうです。
語呂合わせから来ているような由来ですが、豆の栄養素を見てみると確かに健康に長生きできそうですよね!
まとめ
難しそうなイメージのある黒豆ですが、こうして作り方を見てみると意外と簡単ではないですか?
近年、おせち自体を食べないという方も多く、手作りのおせちを食べる機会も昔に比べると確実に減っている現代、特に今回の黒豆は簡単においしく作れて、しかも美容にも健康にも効果抜群ですから、ぜひ日本の習慣として守り、後世に伝えていきたいですね。
今までおせちに関心が無かったり、手作り派ではなかった方も、今年は是非、お気に入りの一品からでも手作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。