最近の甘酒ブームで需要が増えている酒粕ですが、ついついたくさん買って、気がついたら冷蔵庫の中で賞味期限が切れてることありませんか?私も実は何度かやってしまったことがあります。
ちょっと色が変わっていて大丈夫かなと思いながらも、半年ほど過ぎていても使いましたが、本来賞味期限の切れた酒粕は使っても大丈夫なのでしょうか?
今回は酒粕の賞味期限と長持ちする酒粕の保存方法、常温や冷蔵、冷凍方法や保存期限についてまとめてみました。
酒粕の賞味期限は?
酒粕には賞味期限がありますが、「板粕」と呼ぶスーパーで売っている板状のものは、商品にもよりますが冷蔵庫で約6ヶ月保存が可能です。
また、酒蔵で買うようなできたての少し柔らかめの酒粕は、もう少し短く保存期間は3ヶ月ほど、またはもっと短いものもあります。
実は酒粕は8~9%ほどのアルコール分を含むので菌が繁殖しにくく腐敗しないそうです。では、ちょっと色がかわったり酒粕に変化がみられるのはどうしてなんでしょうか?
酒粕に変化が?!
酒粕は実は保存するうちに状態が変わってきます。それを見て、「保存かび?腐っているのでは?」と思ってしまいがちですが、捨てるのはちょっと待ってくださいね。
搾りたての酒粕の特徴は、
☑ 固い
☑ 白い
☑ ほんのりと香る
です。
ですが、酒粕が変化したときって、
✔ 黄色く変色している
✔ ところどころピンク色になっている
✔ 白い粉がふいている
✔ やわらかくなっている
のいずれかではないですか?
色が黄色に変わっていたり、白い何かが発生していたりしたら、「あれ?もうダメ?!」って思いがちですよね。
実は、酒粕は変色しても品質や栄養価は劣らず、むしろまろやかな味になるのです。
これは保存カビや腐敗しているのではなく、時間の経過とともに熟成する過程で発生します。例えば、酒粕がピンク色になるのは、糖とアミノ酸の相互作用、甘み、旨み、香りが増えることで変色します。またこれが進むと茶色に変色し、熟成とともにどんどん色が濃くなっていきます。
すなわち、白→ピンク→黄色→茶色と変色していくんですね。変色しても口にするには問題がないのですが、味がどんどん濃くなるので、使うときは味見をしながらいつもより少なめに使うほうがいいかもしれません。
時間の経過とともに、酒粕が味噌のように茶褐色になっていくので、濃い色が気になるときは、白い色が特徴のかす汁や甘酒などに使わず、奈良漬けや漬物に使うのがおすすめです。
ちなみに、酒蔵によっては、酒粕を常温で半年熟成させて、奈良漬け用として販売しているお店もあります。
また、表面に白い粉や斑点、または黄色くなっていることがあるのですが、これは熟成する途中で発生するもので、酒粕本来のうまみ、アミノ酸の一種「チロシン」の結晶です。腐ってはいないので、こちらも食べても無害です。
他にも、買ったばかりの酒粕は固いのに、しばらくおくとしっとりと柔らかくなっていることがあります。これは、熟成している証拠です。
前述の4つの状態は腐っている状態ではなくて、むしろ熟成している証拠なんです。
賞味期限切れの酒粕はいつまで大丈夫?
酒粕は腐らないということがわかりましたが、市販の酒粕にはちゃんと賞味期限が表示されていますよね。美味しく食べるためにはその賞味期限までに使い切ることが一番です。
賞味期限があまりにも過ぎてしまうと、使い道も限られてくるので、なるべくなら色がまだピンク色や黄色の時に使っておきたいですね。
冒頭でお話しした通り、私も開封後に賞味期限が半年ほど切れたものを何度か甘酒にして飲んだことがあります。
賞味期限内の酒粕を使ったものとやはり味が違い、新しい酒粕で作った甘酒の方がずっとおいしかったので、賞味期限切れでもせめて2,3か月ほどで使っておいた方がよさそうです。
腐ることはないと言われている酒粕ですが、使う前は必ず、異臭や前述のような黄、ピンクや茶色でない色に変色していないか、臭いや見た目でしっかり確認して、自己責任の下、判断しましょう。
米麹や酒粕で作った甘酒の保存期間や賞味期限はご存知ですか?甘酒の保存方法はこちらをご覧ください。
⇒ 甘酒の保存方法、容器や期間は?冷凍もできる?手作り酒粕、米麹甘酒も長持ち!
酒粕の保存方法は?
次に酒粕はどのような保存方法をすれば、おいしく長持ちできるのか見てみましょう。
酒粕は常温で保存は可能?
酒粕は常温で保存すると、温度が高くなるにつれて熟成が進みます。着色を気にしない場合は直射日光を避けて、涼しい場所での常温保存も可能です。
ただ、冬でも室内は暖房が入っていることが多いので、できれば冷蔵庫で保存するのがおすすめです。
冷蔵庫での酒粕の保存法は?
冷蔵庫の中だと、常温よりも熟成の進行を抑えることができ、酒粕が変色することも少しは遅らせることが可能です。
冷蔵庫での保存方法は、未開封はそのままで、開封後は必ず空気に触れないように密閉袋などに入れてしっかり口を閉じて保存しましょう。
冷蔵庫での保存期間は約6ヶ月です。
酒粕は冷凍庫で保存が可能?
実は、酒粕は冷凍保存も可能です。冷凍保存だとほとんど熟成は進まないので、長期の保存や、または使用する予定がない場合に向いています。
また、酒粕にはアルコール分が8~9%ほど含まれるので、冷凍庫で保存してもカチカチには凍りません。
ただ、冷凍すると水分やアルコール分が蒸発してしまうので、冷凍庫でも乾燥しないようにラップでしっかりと包んで、密閉袋などに入れて保存しましょう。
ちなみに、酒粕は冷凍保存をしても、酒かすに含まれる酵母は休眠状態に入るので、酒粕の豊富な栄養分は変わらないそうです。
酒粕の効用には腸を整えて腸内環境をよくする効果があるので便通がよくなり便秘が解消され、結果的に肌の調子がよくなり美肌・美白効果が期待できます。
がんや高血圧の予防にも効果的な優れた酒粕の栄養や効果効能はこちらをご覧ください。
⇒ 酒粕酒粕の栄養と効果効能は?美容や便秘や血圧にも効果的!
また、冷凍したものを使用するときは自然解凍しますが、美味しくなるコツがあります。
それは、日本酒に少し浸しておくことです!なるほどですね。私もまだ試したことがないのですが、日本酒が大好きなので近いうちにやってみたいと思います。
冷凍庫での酒粕冷凍期間は約1年間です。
酒粕のおすすめレシピ
酒粕は今人気のドリンクの甘酒やかす汁に使うことが多いですが、他にもお鍋やお味噌汁などのお料理やお菓子などおいしい食べ方や使い方があります。ただレンジで焼くだけという食べ方もありますよ。
ここではおすすめの簡単レシピをご紹介します。
鶏の酒かす味噌づけ焼き
【材料】
鶏むね肉(orもも) 2枚
A:味噌・酒かす 各大さじ2
A:みりん・しょうゆ 各大さじ1
A:砂糖 大さじ1/2
出典:http://cookpad.com/recipe/706312
Aの調味料をすべて合わせて混ぜます。そこに鶏肉を加えて、冷蔵庫で一晩寝かせます。翌日、オーブンで250度で18分焼いて出来上がりです。
ちょっと贅沢なローストチキン、一風変わった酒粕の味もいいですね。とっても簡単にできるので、ぜひ試してみてください。
下漬け必要なし★お母ちゃんの奈良漬
【材料】
酒粕・・・・2キロ
ざらめ ・・500g
塩・・・・・・大匙1
きゅうり・・約15本
出典:http://cookpad.com/recipe/1625063
お漬物用のポリ容器に、きゅうり以外を入れて混ぜ合わせたら、きれいに洗って水気を拭いたきゅうりを入れて冷暗所で保管。1ヶ月に1回ほどぬか床を混ぜて、3ヶ月ほどして水分が出てきたらできあがりです。
こちらは少し多めに酒粕が使えて、おいしい奈良漬けも作れる一石二鳥のレシピです。奈良漬けの作り方は結構手間がかかるのが多いのですが、こちらは比較的簡単に作れるので、おすすめです。
酒粕チーズケーキ
最後は酒粕を使ったチーズケーキの作り方、動画でご紹介です。本格的なケーキ作りですが、ぜひ参考にしてみてください。
【動画: ★酒粕チーズケーキ】
ちなみに固くてなかなか溶けにくい酒粕ですが、簡単な溶かし方は沸騰したお湯にこし器に酒粕を入れてしばらく置いておくと柔らかくなって溶かしやすいですよ。
まとめ
酒粕は腐らないというのがわかって、ちょっと安心しましたが、でも風味や味を考えると早めに利用したほうがいいですね。
冷凍庫では1年も保存が可能ですので、使わない場合はなるべく早めに冷凍庫に入れてしまいましょう。そして、使用時には日本酒に漬けてお料理やお漬物など活用法もたくさんありますし、健康や体にもいい効果があるので忘れずに使ってくださいね。