秋は柿のおいしい季節ですね。りんごやバナナのように年中出回っている果物もたくさんありますが、柿は特に、秋にしか食べれないといっても過言ではない果物ですので、食べすぎには気をつけたいですが、できれば旬の季節にはできるだけ柿を摂取したいですよね?
便秘の改善や肌にもよくて、風邪にも効果があると言われる柿ですが、柿の栄養と効能にはどういったものがあるのでしょうか?今回はそんな柿にの疑問にかんする疑問について調べてみました。
柿の種類は?
柿の原産は中国で、日本の果物の中でも古いものの種類に入る歴史のある果物です。また、柿は紅葉すると葉っぱが赤くなったり、その実がオレンジ色になりますが、そんなことから「赤木」と呼ばれていたのがなまって「かき」となったと言われています。
その柿には甘い柿と渋い柿、いわゆる渋柿がありますが、実は私たちが普通に食べる甘い柿も熟す前は渋く、熟していくにつれて渋みがとれて甘くなり、そのまま食べることができるようになります。
渋柿も干したり、焼酎に浸して数日置くことで簡単に甘味がとれますが、以前、渋柿を甘くする方法をまとめましましたので、ぜひこちらも参考にしてみてください。渋柿で作る干し柿は特に絶品です!
⇒ 渋柿を甘くする方法、リンゴや焼酎などお酒で意外と簡単!5つの方法をご紹介!
そんな甘くておいしい柿ですが、カロリーは100g当たり60キロカロリー(1個、約166g、100キロカロリー)とされています。
先日、実家から送ってきてもらった柿は超特大!測ってみると約400グラムあったので、240キロカロリーとなります。通常の1個分と思って食べてしまうと大変!一人で1個はさすがに一度に食べられない大きさでした。
柿の栄養は?
「柿が赤くなると医者が青くなる」と言うことわざがあるほど、柿は栄養たっぷりの果物です。この意味は、柿が赤く色づくと食べごろになりますよね。そうすると柿を食べた人は病気にかからなくなるので、医者が困って青くなる、商売あがったりと言うことですね。病人がいなくなるのはとてもいいことですが、面白いことわざですね。
ということで、柿にはたっぷりの栄養が含まれていますが、主にどのような栄養素が含まれているのか見てみましょう。
ビタミンC
柿の代表的な栄養素がビタミンCです。特に葉の部分にはレモンのなんと20倍も含まれています。1日のビタミンCの必要量は100mgとされていますが、普通の大きさの柿、1個につき120㎎ほど(100g当たり、70㎎)含まれているので、柿を1個食べることで、1日のビタミンCの必要量を補えると言えます。
また、ビタミンCは肌のシミ、そばかすなどを予防し、できてしまったシミにも働き、沈着してしまったメラニンを白くするとも言われています。また肌にハリを与え、しわ、たるみを防ぐという女性に非常にうれしい美肌効果が期待できます。
ただ栄養効果の高い干し柿ですが、干し柿にしてしまうことで、ビタミンCは100g当たり2㎎と、ほとんど失われてしまいます。
前回、干し柿の栄養や効能についてご紹介しましたので、ぜひご覧ください。
* 干し柿の栄養や効果を知れば食べたくなる!女性に強い味方の優秀なおやつ!
β-カロテン
β-カロテンは、最近富に注目されている活性酸素の発生を抑える抗酸化作用を持つ成分で、アンチエイジング、老化防止、免疫力工場や美肌効果、抗がん作用などに効果的です。
参考記事 * 抗酸化作用とは?簡単にわかりやすくご紹介!
タンニン
ポリフェノールの一種であるタンニンは渋み成分で、ポリフェノールはワインに含まれていることでも有名ですが、柿にはぶどうの5倍も含まれているそうです。私たちが食べている甘い柿はタンニンの成分が可溶性から水溶性と変化しているので、渋みはほとんどありません。
このタンニンは血液中の悪玉菌を減らして血流をよくする働きがあるので、新陳代謝がよくなり、また整腸作用があるとされています。
カリウム
カリウムは体内の余分なナトリウム、塩分を外に排出する役割をし、血圧の上昇を抑える働きがあるので、高血圧の予防や筋肉の収縮をスムーズにしたり、腎臓に溜まった老廃物を排泄する働きも期待できます。
柿の効果効能は?
柿の栄養素を見てきましたが、効果効能についてまとめてみると、
・ 疲労回復効果
・ 老化防止
・ 免疫力向上
・ 感染症の予防
・ 美肌効果
・ 整腸作用
・ 高血圧の予防
・ がん予防
・ 二日酔いの防止や改善
・ 乗り物酔いの予防
などがあります。
ざっと見ても柿には、かなりの効果がありますね。
柿には食物繊維が豊富に含まれているので、腸を整える作用があり、便秘を解消する効果もあるので女性にはうれしいですね。ただ、食べすぎるとタンニンという成分のせいで、逆に便秘になってしまうことがあるので、食べる量は1日半分から1個くらいで様子を見ながら食べるようにしましょう。
二日酔いの防止と乗り物酔いには、飲む前に食べておくことで症状を予防することが期待できるそうです。また、二日酔いの改善は二日酔いになったときに食べておくことで改善が期待できます。
このほかにも、ビタミンCを多く含むので、毎日食べることで免疫力がアップし、風邪の予防も期待できますね。
柿の葉もすごい!
古くから中国では漢方薬としても使われている柿の葉ですが、柿の葉には実の部分よりもビタミンCが多く含まれ、ビタミンCはレモンの20倍というお話をさきほどしましたが、柿の葉茶として飲まれたり、胡麻和えやてんぷらにして食べることもあります。
通常、ビタミンCは熱によって破壊されたり、弱くなる性質がありますが、柿の葉に含まれるビタミンCは熱に非常に強く、体内にしっかり吸収されます。
そのほか抗菌作用や花粉症のようなアレルギーの抑制や予防にも効果が期待され、新陳代謝の活性化や動脈硬化、高血圧症、利尿効果もあるとされています。
また、白菜などの漬物に柿の葉を一緒に漬けることで、甘味が増した白菜漬けができたり、また、フラボノイド配糖体を含むため、血圧を抑える作用があり、高血圧症や動脈硬化やしもやけ、外傷の血止めにも使われます。
柿の葉と言っても、お茶として飲むだけでなく様々な効果があるんですね。
奈良の伝統料理、柿の葉寿司
ちなみに柿の葉寿しは柿の葉に包まれた奈良県の郷土料理のお寿司ですが、みなさんご存知ですか?素朴な味がおいしくて、奈良に行ったら食べたり、買って帰ってきたりするのですが、この柿の葉寿司、鯖や鮭のお寿司が柿の葉にくるまれている、江戸時代のころから伝わる伝統料理です。
なぜ、柿の葉にくるまれているかと言うと、柿の葉は殺菌効果に優れているため、遠い海岸から運ばれるのにとても適した方法なのだそうですよ。昔の人の知恵はすごいですね。いつも感心してしまいます。
柿の食べすぎには要注意!
柿は昔からの言い伝えで、体を冷やす果物と言われています。ですので、冷え症や貧血気味の方は摂取する量を制限するようにしましょう。また、食べすぎは流産を起こすともいわれていますが、これも体を冷やすことから言い伝えられています。
空腹時にたくさん食べると消化不良を起こし、便秘の原因にもなってしまいますので、目安として、食べる量は毎日1~2個くらいならよさそうですね。
他にも、柿を大量に食べすぎると「柿胃石」という石が胃の中にできることがまれにあります。
その量は、子供で1日6個、大人で1週間に30個ほど食べたときに発生したそうですので、そこまで食べすぎていない場合は、心配する必要はありません。
メカニズムはまだまだ不明な点があるようですが、柿の渋みのタンニンが胃の中で固まって消化できなくなることから石になってしまうそうです。特に胃の動きが悪い人や胃の手術をした人は注意が必要で、重症化した人の症例だと直径が4㎝くらいの石になるそうです。
柿を食べ過ぎて、食欲がない、胃が痛いといった症状があるときにはお医者さんに診てもらいましょう。
柿を使ったおいしいレシピ
柿は生でそのまま食べるのが最も簡単でおいしい食べ方ですが、和食などでは少しアレンジした食べ方やなますや和え物に加えて食べる方法も人気ですね。
今回は簡単に作れる柿のなますをご紹介します。大根が入った柿なますは風邪の予防にもいいと言われています。
柿と大根のなます
【材料 4人分】
柿 大1個
大根 15~20㎝
★ 酢 50㏄
★ 砂糖 小さじ1/2
★ 薄口しょうゆ 小さじ 1/2
★ 塩 小さじ 1/3
塩 大根をもむ際に使用 少々
【作り方】
1.大根は千切りにして、塩でよく揉みます。しばらく置いて、水気を切って置きます。
2.柿は洗ったら、皮を剥いて大根と同じように千切りにします。
3.★の調味料を合わせてボールに入れ、大根と柿を入れて和えたら出来上がりです。
参考レシピ http://cookpad.com/recipe/677487
ちょっと粋で大人な感じの一品ですね。季節感を味わえるので、ぜひ旬の季節に作ってみてください。
まとめ
今回は柿の栄養や効能についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
素晴らしい栄養や効能のある柿、食べすぎは避けたほうがいいですが、旬の時期にしか食べることができませんので、ぜひ旬には積極的に摂取したい果物ですね。